東野圭吾「超・殺人事件」誰が一番儲けるか | kuwanakenのブログ

kuwanakenのブログ

プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 東野圭吾さんの短編集「超・殺人事件」を読んでいます。一つ目二つ目とつまらない短編が続いたので、久しぶりの駄作かと思いきや、だんだんおもしろくなって行きました。「超犯人当て小説殺人事件」など、予想外の結末で爽快です。

 

 作家や編集者の滑稽さを描いたところは、「黒笑小説」や「歪笑小説」を思い出し笑えてきました。自虐とも取れるネタが満載です。はたして、作家や編集者の皆さんも笑うでしょうか。それとも、腹を立てるか、泣き出すか。

 

 プロの作家は本を出すだけで食べていける、ごくわずかな人のことです。でも、プロ野球とかプロゴルファーという言葉はありますが、プロ作家とはいいません。どうして、アマチュア作家という言葉がないのでしょうか。

 

 僕はものを書くことが大好きです。ブログや童話を書いていると楽しくなってきます。もちろん、お金になることはありません。草野球やゴルフを楽しんでいる人と同じです。毎朝ジョギングをする人のように、ブログを書きます。

 

 アマチュア作家を狙った、詐欺まがいの自費出版ビジネスがあるそうです。百田尚樹さんの「夢を売る男」に出てきます。「あなたの作品は世に出るべきものです」と煽てて、出版費200万円を出させる商法です。

 

 僕もエッセイや小説などの文芸コンテストに、たくさん応募しました。でも、自費出版を勧められたことはありません。一度くらい誘われたいと思います。ただ、詐欺に引っかかるにしても、ある程度のレベルに達していないといけないようです。

 

 今回の短編集では「超高齢化殺人事件」がおもしろい。高齢の作家が同じ文章を書くので、編集者が困る話です。その昔、大藪春彦さんの遺作となった本を買ったら、同じ文章が何ページもありました。作家も編集者もボケたようです。

 

 作家は売れっ子もそうでない人も、プライド命の人が多い。編集者はそれを逆手に取って、さまざまな儲け方を産み出す。嘘か誠か、どちらにしても、東野圭吾さんはそれを小説に書いてしこたま儲ける。上には上があるものです。