娘と息子にそれぞれの子供たちを合わせて、総勢七人の伊勢志摩旅行。泊まりは大江戸温泉物語プレミアムです。大江戸温泉物語といえば、つぶれかけた旅館を買い取って一新するという、ゆかいリゾートと同じ再生システムです。
確かに、昔ながらの旅館はとても魅力的でした。中居さんが荷物を持ってくれ、部屋へ案内されます。お茶を出してもらいながら、旅館の説明を聞きます。名所案内やお店のお勧めなど、尋ねなくとも教えてくれます。
母の招待で下呂水明館へよく行きました。部屋の設えも接客も一級のおもてなしです。母が何日か居続けで、その間に僕の家族や兄の家族が都合の良い日に泊まります。母は孫と遊んだり、僕らと話に興じたり、上手なお金の使い方です。
料理は中居さんが一品ずつ部屋へ運んでくれます。特に注文をしなければ、いわゆるおまかせ料理が提供されます。女将さんが挨拶に顔を出したりもします。食事が終わってのんびりしていると、係の人が布団を敷いてくれます。
それにひきかえ、大江戸モデルとかブルーオーシャン戦略とかいうシステムは、それらを全て省きました。人件費の掛かる中居さんをなくしたのです。その代わり、バイキング料理の品数を増やし、共有スペースでは飲み物のサービス。
これが、僕ら庶民には大ウケ。旅館に着いてチェックインをしている間に、みんなロビーでジュースなど飲み放題。部屋に入るなり、孫たちは積み上げた布団に飛び込んで大騒ぎ。高級旅館では味わえないおもてなし。
バイキングはものすごい品数です。質はともかく、おいしそうな料理が所狭しと並んでいます。孫娘は何種類もの刺身を揃え、孫息子はフライものなどずらり。大食漢の息子は一人分を優に超えるプレートを、何度もおかわり。
美しい妻は、海老の天ぷら、海老フライ、海老の塩焼き、海老蒸し焼き。3才から70才まで、親子三代がそれぞれ満足できる夕食は素敵です。下呂水明館も魅力的ですが、大江戸温泉物語の方が僕らにぴったりかも。