中学生の頃の悩みを覚えていても | kuwanakenのブログ

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プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 車椅子ツインバスケット長野サンアップル杯では、地元の中学生がオフィシャルやコート設営に精を出してくれました。長野北部中学校のバスケット部員16人です。小学生とはミニバスケットで良く遊びますが、中学生と話すのは久しぶりです。

 

 ほとんどの子が元気はつらつですが、中にはおとなしく下を向いている子もいます。「ねえ、いじめられていない?」「・・・」「僕は中学生の頃の悩みを覚えているんだ」「どんな悩みですか」「理性と感情の兼ね合いかな」「・・・」

 

 会話が続きませんでした。もう少し上手に話せないのかと悔やみます。中学時代の具体的な悩みは「やらなければいけないことがいっぱいあり過ぎて、何から手をつければ良いのか分からないということ」でした。今思えば、かなりのストレスです。

 

 フロイトさんなら「はい、不適応です」と言われそうです。当時思いついた解決策は、一番簡単な問題から片付けるというものでした。その作戦は見事に当たります。一つ片付けると自信が湧いて、ストレスが消えたのです。

 

 おもしろいもので、まだ問題はたくさん残っているのに、一つ片付いただけで気が楽になってしまいました。どうやら、適応しちゃったみたいです。もっと悩めば「不適応をバネにして学者か空手家になれた」かもしれないのに。

 

 スーパーでアイスクリームを買うとドライアイスをもらいます。帰宅するなり、ボールに水を張りドライアイスを入れます。白い煙がボワっと溢れ出してきて、台所はファンタジーな雰囲気です。それがおもしろくて、しばらく見つめています。

 

 ドライアイスは個体からいきなり気体になります。物理では昇華といいますが、心理学で昇華といえば不適応から逃れる防衛方法です。「数学ができないから文学者になっちゃう」とか「いじめられたから空手家になっちゃう」とか。

 

 下を向いていたバスケット部の中学生は、うまく社会に適応できるか。ドライアイスみたいにパアッと昇華できるか。「みんな帰りに交通事故に合って車椅子生活になっても、バスケットできるから安心してね」僕の言葉こそ不適応かも。