五百羅漢は多様性のお手本 | kuwanakenのブログ

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プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 大泉のネモフィラ畑に気を良くして、他にも手頃な観光地がないか探してみました。そしたら、菰野で藤棚がきれいに咲いている写真を見つけました。そこなら30分もあれば着けます。渋滞が心配なゴールデンウィークのお出かけにぴったりです。

 

 しかも、美しい妻が久しぶりにバイクで行きたいと持ちかけました。バイクの免許を取ったのは、妻が後ろに乗りたいと言ったからです。54歳の時でした。免許取り立ての頃は「海へ行こうか」なんて楽しんでいました。

 

 それも今は昔、この頃は二人乗りもめっきり減りました。たまに孫娘が付き合ってくれる程度です。そこへきて妻の提案に僕も大喜び。ミニミニタンデムツーリングに決定しました。天気予報は曇りですが、降り出さないことを祈るばかりです。

 

 当日は予報通り曇り空。それでも、ぱらつく程度なら構わないとばかりにバイクで出かけました。青春は雨を厭いません。堤防を走り、田園地帯を駆け抜けます。爽やかな風に吹かれて、「気持ちいい〜」と妻が叫びます。

 

 目的地は竹成大日堂。松樹院というお寺の中にある藤棚です。地図はあらかじめ頭の中に叩き込みました。何度も右折左折を繰り返しながら、一度も間違いなく辿り着きます。未だ空間認知能力に衰えは感じません。

 

 境内は思ったよりも狭く、見渡すまでもなく藤棚はすぐに見つかりました。一本の大きな幹からたくさんの枝が伸びて、青々とした葉っぱで覆われた天井のようです。残念ながら、藤の花は完全に散った後でした。

 

 その隣の小山には無数の石像がびっしりと並んでいます。五百羅漢です。羅漢とは偉いお坊さんのことだと思っていましたが、ここには七福神や閻魔様までいます。神仏習合の名残です。神も仏も敬うという日本独自の多様性です。

 

 そんな宗教の多様性は千数百年続きましたが、明治政府の神道国教化で台無しにされました。恐ろしい廃仏毀釈の嵐にも耐え、ここには469体も残されています。神様と仏様が仲良く並ぶ五百羅漢は、多様性のお手本になると思います。