孫娘が「おじいちゃん、今晩のおかずは何?」と尋ねてきました。「今日は餃子かな」「わたし作りたい」「うん一緒に作ろうね」「いやぁ、違う。わたしが晩御飯作りたい」「何を?」「アボカドサーモン丼」「うわっ、うれしい」
どうやら、滞在中に料理の腕を披露しようと心に決めていたようです。料理はおじいちゃんの係りです。餃子のニラや挽肉は買い込んでありましたが、それは明日に回します。いそいそと食材を求めて二人でスーパーに出かけました。
魚売り場でサーモンをカゴに入れました。隣に鮭の切り身があります。「こっちの方が安いよ」と言うと「おじいちゃん、それは鮭、サーモンじゃない」と孫娘が言い返します。生で食べるにはサーモンじゃなきゃいけないと言うのです。
鮭とは天然の海水魚のことです。オキアミなどのプランクトンの他に、小魚やイカなども食べて育ちます。そして、アニサキスなどの寄生虫が、食物連鎖の中で宿主を変えながら棲みついています。鮭を生で食べると食中毒を起こすのです。
その点、サーモンは養殖の淡水魚のこと。エサは管理されているので寄生虫の心配は少ないです。孫娘のいう「サーモンじゃない」とは、生では食べられない鮭を指すのです。決して日本語と英語の差だけではありません。
自分が子供の頃は鮭といえば焼き魚です。生では食べません。寿司屋さんでもサーモンは記憶がありません。くるくる寿司へ行くようになった頃でしょうか。サーモンが人気メニューになって良く食べるようになりました。
孫娘が野菜売り場でアボカドを品定めします。「これはまだ硬い」「6個入りの方が安いけど、おじいちゃんサラダでも食べる?」ぶっちゃけ、アボカドがどんなものか知りません。正直に「わからん」と答えるしかありません。
出来上がったアボカドサーモン丼は、あまり馴染みのない味でしたがおいしかったです。アボカドの栄養を調べてみたら、幸せホルモンの分泌を抑制する原因を取り除く働きがあるとか。おじいちゃんは孫娘の料理を見ただけでセロトニンが溢れます。