車椅子ツインバスケットの大会では、お昼ご飯に幕の内弁当が出ます。僕は唐揚げ弁当やトンカツ弁当よりも幕の内弁当が好きです。大会ごとにいろんなおいしい幕の内弁当が出るので、いつも楽しみにしていました。
しかし、直腸ガンの手術で直腸を取っちゃってからは、食べるとトイレが心配です。それだから、大会の時は朝も昼も食事抜きです。つまり、もう大会の幕の内弁当は食べられない体になってしまったのです。とほほほ。
食事時になると仲間の弁当を恨めしげに眺めます。「ねえ、おいしい?」と聞くと、「おいしいよ」とか「見んといて」とか反応は様々です。慰める言葉はありません。障害に慣れているせいもあって、サバサバしたものです。こちらもその方が楽です。
食事抜きは旅行の時も同じです。美しい妻と旅行に行けば、当日のお昼からご当地グルメを楽しみます。もちろん、妻だけです。「ごめんね」と言いながら、おいしそうに頬張ります。屋台のグルメにも手を出します。
その夜はホテルや旅館で夕食をとります。そのまま泊まるのでトイレの心配はありません。心置きなく食べられます。朝食はバイキングが多いです。ここでもまた、妻が食べ、僕は飲み物だけ、具のないお味噌汁は格別です。
それが四泊五日の旅行でも同じことです。孫娘がハワイに住んでいた頃は、十日間続くことも何度かありました。たまに食事を抜いたところで、さして苦にはなりません。もともと、食べ過ぎるきらいがあるので、大勢に変わりはありません。
帰り道の楽しみは土産に買った弁当です。土産物売り場や駅の売店で、ご当地名物の駅弁を買います。富士山へ行った時は、富士宮焼きそばに幕の内弁当。博多の帰りには、和牛すき焼き弁当に幕の内弁当。富山は鱒寿司に幕の内弁当。
先日のツイン大会での幕の内弁当はとりわけ豪華でした。エビフライに魚フライ、鶏の唐揚げにミンチボール、玉子焼きに煮物。早く再生医療が進化して、直腸も再生できないかなあ。脊髄再生のほうが需要が多いから先になるかも。