お月さんは星空の中でも別格 | kuwanakenのブログ

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プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 昨日は月蝕がありました。美しい妻と入れ替わり立ち替わり、月が欠けていく様子を何度も眺めました。月も夜空の星の一つですが、やはりあの大きさは別格です。あの名作童話「お月さんがついてくる」が生まれたのもうなづけます。

 

 大きさ自慢をするなら、星座の方が大きいことになります。小さな星たちがお月さんには敵わないと、幾つもの星を繋いで白鳥や鷲にしてしまいました。お月さんからしてみれば「そんな卑怯な」と愚痴りたくなりそうです。

 

 星座を考えたのは、古代メソポタミアのシュメール人といわれます。楔形文字に記されています。本当はもっと前に考えた人がいたかもしれませんが、文字が残っていないのでシュメール人の勝ちです。著作権のようなものです。

 

 シュメール人から星座の話を聞いて物語を作ったのはギリシャ人です。星を繋いで白鳥にしただけでもすごいのに、神話まで創り上げるとは素晴らしい妄想力です。小椋佳さんが「辻褄合わせの天才の群れぇ〜」と歌っていました。

 

 ギリシャ人も文字を使っていたので、辻褄合わせの神話が現代の僕らにも伝わりました。それにひきかえ、アイヌはユーカラという素晴らしい叙情詩を創りましたが、文字を持ちませんでした。だから、口伝えでしか残せません。

 

 もちろん、口伝えでも多くのユーカラが残っています。ただ、口伝の途中で僕のようなおっちょこちょいが入っていたら大変です。うろ覚えのくせに見栄を張って、子や孫にもっともらしく伝えます。きっと、ユーカラにも変な物語が混じっているはずです。

 

 文字で伝えたといっても、楔形文字を現代人が理解するのは一苦労です。あっちの古代語、こっちの古代語と付き合わせて、一つずつ文字の意味を突き止めます。言語学者もまた、辻褄合わせの天才といえそうです。

 

 妄想と辻褄合わせで創り上げた星座や神話のおかげで、星空を見上げるだけで楽しくなってきます。それでもやっぱり、お月さんの大きさは別格です。満月でも三日月に見えるという不思議な月蝕に、どんな物語を創りましょうか。