20年ぶりの歌会始応募 | kuwanakenのブログ

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プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 三十代の頃、突然思い立って歌会始に応募しました。根っから好奇心旺盛なのですが、興味を持つと何でもかんでも試したくなります。短歌を勉強したことがないので、敷居の高さも知らないのが強みといったところです。

 

 一番初めのお題が「波」でした。素人の浅はかさで、出来上がった短歌には根拠のない自信を持ちます。発表を心待ちにしましたが、入選するはずもありません。応募総数二万首がどんな数字なのか、皆目見当もつきません。

 

 でも、あのわくわく感が楽しくて、それ以降毎年応募しました。短歌の不出来もさることながら、毛筆書きもひどいものです。頭を絞って出来上がった作品は、それなりにうれしいものです。でも、毛筆で書くとあまりの下手さ加減に呆れます。

 

 それでも、募集要項に「毛筆に限る」とあるので避けることはできません。小学生だった子供の習字セットを借りては、練習書きから始めます。子供たちがあからさまにけなすことはありませんが、笑いを殺していたと想像します。

 

 それが十数年続きましたが、ある年で途切れてしまいました。実は、目的があって願掛けをしました。願掛けは一番好きなものを断つという方法があります。僕の一番好きなことは読書だったので、本断ちをしたのです。

 

 その流れで短歌を作ることもやめました。何年か後にめでたく願掛けは叶いました。本断ちも解いて読書を始めましたが、歌会始の応募が再開することはありませんでした。年相応の分別がついて、身の程知らずと気づいたのかもしれません。

 

 7年前の直腸ガンの手術の後、文芸作品の公募ガイドを買って矢継ぎ早に応募しました。俳句、川柳、エッセイ、童話、小説など。節操なく送り続け、応募件数は一年で百件に上ります。短歌も応募しましたが、なぜか歌会始は遠慮しました。

 

 ほどなく公募の熱は冷めましたが、童話、俳句、短歌は作り続けています。前述の通り、特に勉強することはないので、どれも上達は望めません。下手の横好きそのものです。今年のお題は「友」です。お題に釣られてつい応募しちゃいました。