桜にウグイス | kuwanakenのブログ

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プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 神社の桜が咲き始めました。先陣は寒桜です。冷たい雨が上がったかと思うと、一気に花が開きました。満開の枝があるかと思えば、隣の枝は五分咲きです。多くを占めるソメイヨシノは、まだまだ蕾が硬いままです。

 

 さあっと音を立てて、一陣の風が近くの竹藪から渡ってきます。朝の日差しを浴びた神社の空気が、少しひんやりしてきます。静かだった寒桜の枝が、ざわざわと騒ぎ立ちました。細い枝にいっぱいの花をつけて重たそうに揺れています。

 

 いっときざわついた風もすぐに収まって、先ほどまでの静けさが戻ります。忙しく揺れていた枝も落ち着きを取り戻しました。それでも、いくつかの枝が激しく揺れています。よく見るとウグイスがニ羽、枝に留まっています。

 

 今にも折れそうな細い枝から枝へ、ちょこちょこ動きながら、せわしく嘴で枝を突っつきます。蕾でも啄んでいるのでしょうか。虫や木の実が主食なら、桜の蕾はデザートといったところです。近づいても気にしません。

 

 二羽のウグイスが恋人同士なら、食事をしながら将来のことを話し合っているかもしれません。「誰か心に決めた人はいますか」「そんな人いません」「僕なんかどうかな」そろそろ世帯を持って子育てを始めても良い季節です。

 

 新居は当然ながら隣山の林か竹藪の中です。その隣山では住宅150戸の開発計画が持ち上がっています。この町では、具体的な開発図面も回覧板で回っていました。町角でおばさんたちの噂話にも花が咲いています。

 

 ウグイスたちも桜の蕾を啄みながら、噂話に耳を傾けているでしょう。開発計画の話は、ウグイス界隈にも広まっているはずです。ねぐらを奪われるのですから他人事では済まされません。そうかといって対策があるわけでもないでしょう。

 

 でも、恋に浮かれる若いウグイスたちに野暮な話は通じません。「僕たちの子供は可愛いだろうね」「いやん、もうそんな話?」さてさて、ここいらでおじいちゃんは若い者の邪魔をしないように退散しましょうかね。