蕎麦屋の裏メニュー、天抜き | kuwanakenのブログ

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プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 サザエさんの中で「天抜き」の話が出てきました。中島君のおじいちゃんが蕎麦屋で天抜きを頼みました。その話をカツオ君にしたら、意味を知らないカツオ君は知ったかぶりをしました。そして、躍起になって意味を探ります。

 

 何のことはない、どんぶりに温かいおつゆと天ぷらだけが入っています。天ぷら蕎麦の蕎麦抜きということです。お酒のつまみで頼むことが多いです。メニューには載っていません。蕎麦通が自慢げに注文する品物です。

 

 蕎麦屋は一部の蕎麦通と、その他大勢の通ぶるお客さんで持っています。「蕎麦の食べ方はなあ・・」で始まる蕎麦談義は、日本中の蕎麦屋で連綿と繰り広げられてきました。裏メニューも蕎麦談義の延長線上にあります。

 

 御園座でやっていた蕎麦屋「かっぱ茶屋」でも、常連さんが多かったです。お勤めの人は毎日も、観劇の人は毎月も。名前と好みを覚えて「あっ〇〇さん、いらっしゃいませ。いつものですね」という挨拶を心掛けました。

 

 裏メニューもどんどん増えていきます。なぜなら、常連さんの希望は全て叶えるというのがモットーだったからです。蕎麦の量は、少し多めが「中」、少なめが「豆」、大盛りの多めが「大大」。硬め、柔らかめ、自由自在です。

 

 メニューには普通と大盛りしか載っていないのに、常連さんの多い昼の時間は半分くらい「中」になりました。「豆」や「大大」も増えて、普通盛りはほとんどありません。ぬる目は「ネコ」と呼びました。猫舌のことです。これも裏メニューです。

 

 冬場は「あつもり」の裏メニューも出ました。蕎麦もつゆも熱いもりそばです。常連さんは得意げに「今日は寒いからあつもりにして」と注文します。周りの人は何が出てくるか興味津々。湯気の出るもりそばを見て目を丸くします。

 

 冷やし中華が食べたいという常連さんがいたので、スーパーで買ってきて作ったことがあります。さすがに、これは一度切りにしてとお願いしました。お客さんの言う通り、なすがまま。ナスがママならキューリはパパよ。