久しぶりの新幹線 | kuwanakenのブログ

kuwanakenのブログ

プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 娘から「もしかしたら陣痛きたかも」という連絡が入りました。僕は上の孫娘の子守役を仰せつかっています。予定日よりも1週間早いです。コロナ禍ですが、必要で急を要します。「了解しました。急な変更も対応します」と返事しました。

 

 翌朝、婿殿から「病院へ行きました。よろしくお願いします」と出動要請。「はーい。4時に到着予定」と返信。すぐに出かけても、コロナのせいで面会はできません。鍵を預かっていないので、孫娘が学校から帰るまで家にも入れないのです。

 

 時刻表も気にせず、ちょっと早めに家を出ます。桑名駅で新幹線自由席を券売機で買います。こんな時期ですから、指定席の必要もありません。往復切符にすると乗車券だけ1割引です。期限は10日間ですが問題ないでしょう。

 

 名古屋駅に着いたら、予想した便よりも一本早いのぞみに間に合いました。ホームに出れば、自由席乗り場には誰もいません。ほどなく入線してきたのぞみ号に、ゆうゆうと乗り込みます。案の定、席はガラ空きでした。

 

 3人席を一人で独占して、のんびり寛ぎます。近頃は飛行機の方が格段に安いので、そちらを選びます。新幹線は久しぶりですが、流れる車窓はビルか田んぼか山ばかり。どこも同じような見慣れた景色です。うつらうつらしながら過ごします。

 

 どれくらい経った頃でしょうか。突然大量のタンク群が目に飛び込んできます。百基はありそうです。通過駅の名前を確かめようと目を凝らします。徳山駅です。聞き覚えのない駅名です。化学工場のコンビナートの看板が出光と読めました。

 

 そこで、百田尚樹さんの「海賊と呼ばれた男」を思い出しました。モデルになった出光佐三さんのゆかりの地です。ここ徳山に初めて自前の製油所を建設して、一気に世界の出光へと飛躍しました。その舞台となった場所だったのです。

 

 それ以前にも何度か新幹線で通ったところですが、全く記憶にありません。話に夢中になっていたか、うたた寝をしていたか、それともボケたのか。一面に広がるタンク群の景色が、道中の1番の思い出になりそうです。写真は撮り損ねました。