国勢調査書類の配布も、残り七軒となりました。余すところなく配りきりたいです。一軒ずつ面談をしなければいけないので、留守宅は何度も足を運びます。もっとも、コロナ対策でインターフォン越しの受け答えも多いです。それなら、電話でも済みそうです。
面談からインターフォン、そして電話とくれば、当然ながら次はインターネットです。今回でも、回答方法はインターネットを盛んに勧めています。いわゆるデジタル化です。僕の担当区域では、3割ほどがネット回答を選んでいます。
調査員専用のサイトでは、担当区域の回答状況をたちどころに確認できます。それを見れば、すでに3人が回答していることが分かります。国勢調査でデジタル化が進めば、書類の配布も必要ありません。歩き回る調査員もお役済といったところでしょう。
ところが、デジタル化とは縁遠い人たちもいます。たとえば、お年寄りの一人住まいです。先日も調査書類をお届けしたら、「分からないから教えて」と頼まれます。縁側に座り込んで、一緒に書き込んでいきます。一問ごとに、「姑さんが厳しい人でねえ」と思い出話が盛り込まれます。
耳の遠い人の家では、庭に回り込んで居間の窓を叩きます。まずはびっくりされますが、僕の顔に気づくと笑顔で迎えてくれます。勝手知ったる家なので、訪れる時はいつもそうしているのです。「久しぶりに人と話をした」と喜ばれます。
デジタル化の狭間で、どうしてもついていけない人がいます。そういえば、デジタル化とIT化はどう違うの。ICTは?IOTは?インターネット?インフォメーション?ユビキタスはどこへいった?どうやら、ついていけないのは僕のようです。
調査書類の追加で市役所に電話したら、調査区番号と名前と電話番号まで聞かれました。必死にメモをしているようです。調査区番号を入力すれば、全部モニターに出てくるはずなのに。それよりも、調査員が提出する書類は全部手書きです。ITもIOTもありません。一番ついていけないのは役所かも。