ペンだこの思い出 | kuwanakenのブログ

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プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 久しぶりにデスクワークをしました。国勢調査の準備です。この話をいただいたときは、訪問販売のように家庭を巡る仕事だと思っていました。もちろん、調査書類を配布するのは重要な仕事です。留守のお宅もあるでしょうから、何度も回らなければいけません。

 
 でも、それだけではありませんでした。住宅地図をもとに調査要図を作って、世帯番号を書き加えます。番号は歩いて回る道に沿って割り振ります。その方が配りやすいと思うからです。二世帯住宅もあるし、空き家もあります。意外とややこしいです。
 
 次に、調査世帯一覧を作ります。世帯番号順に世帯主氏名や番地などを書き込む作業です。これが、かなり曲者でした。なんとびっくり、今どきめずらしく全て手書きなんです。長い時間ペンを持ち続けるのは、何年ぶりでしょうか。
 
 蕎麦屋では、早い時期からパソコンを使っていました。金銭出納帳や日計表、確定申告の財務諸表もパソコン入力です。テーブルのメニューや、壁のポップ広告などもパソコンで作っていました。その後の介護施設でも保険請求など事務仕事が多かったですが、もっぱらキーボードを叩いていました。
 
 それが今回、何時間も書き続けていたら、指が痛くなりました。お兄さん指の第一関節と爪の間です。ペンの当たるところが少し凹んでいます。この感覚は、ずいぶん懐かしい感じがします。高校時代には、この場所に一度だけペンだこができた覚えがあります。
 
 兄たちの成績が良かったので、「お前も勉強さえすれば良くなるのに」と言われ続けてきました。それでも、生涯にほんの短い間、真剣に勉強した時期があります。高校三年生の夏休みです。女の子の多い大学に入りたいという一念で、勉強に熱が入りました。
 
 一日12時間、勉強机に張り付きました。兄から書いて覚えることを教わりました。一心不乱に書き続けると、一日でポールペン一本を使い切りました。知恵熱が出て一日休みましたが、その日以外はペースを落とさず、一夏でボールペンを40本使いました。ペンだこがしっかりできました。
 
 その甲斐あって、志望校の評価が「再検討せよ」から「合格圏内」に上がります。めでたく合格して、五年目に学内で一番美しい女性と恋に落ちます。少し話を盛りすぎましたが、国勢調査のおかげで楽しいペンだこの記憶が蘇りました。