映画 「ゴールデンカムイ」
過酷な状況で生き残った者は皆、不死身の超人である。
公開から出遅れましたが、ようやく見に行けました。
原作は読んでいないけど、アニメは途中まで見ていたので、
見ごたえ充分。がっつり楽しめました。
原作は、ヤングジャンプに連載されていた、野田サトルの同名マンガ。
8年続いた大長編で、31巻で終了。(アニメは第4シリーズまで)
物語は有名なので、俺がいちいち言わんでもいいと思いますが、一応、簡潔に。
二百三高地の戦いで生き残った兵士が、北海道で莫大な金塊をめぐってバトル。
主人公の杉元は、アイヌの女と出会い、協力し合う関係になっちゃう。
コワモテの軍人や、奇怪な指揮官、伝説の剣豪など入り乱れて、もう大変!
主演は、山崎賢人。彼を劇場のスクリーンで見るのはたぶん、これが初めて。
「キングダム」とか見ていないので、先入観がなくて幸いしたかも。
さすがに“不死身感”はあまり感じないけど、気合で生き残ってきたんでしょう。
ナイーブな部分がないと、観客にあまり心配してもらえないしね。
ただ、怪我の治りが早い、というのは、素晴らしい才能だと思います。
アイヌの女、アシㇼパを演じるのは、山田杏奈。
一応、少女という設定なんですが、立派に大人の女性に見えます。
身のこなしが重そうで、足も速くなさそうですが、強力なボディガードがいます。
肌も白いので、きっと、アイヌの日焼け止めを愛用しているに違いない。
ブルーの瞳はデリケートだと思うので、サングラスがあった方がいいかも。
色んな俳優が出ていますが、みなさん、楽しそうです。
舘ひろし、玉木宏、矢本悠馬、マキタスポーツ、眞栄田郷敦、井浦新…いやあ、すごいすごい。
特に勝矢は、「罪と悪」で見たばっかりなので、ビジュアルでヤラレました。
俺が気に入った出演者は、熊と狼。見せ場がタップリなので、どうぞお見逃しなく。
人間、生きていると、色んなことがあります。
俺は少なくとも、今までに“退屈”というものを感じたことがないので、
毎日が修羅場であり、分刻み、秒刻みで、過酷な戦いを続けています。
何度も何度も、これで人生終わった、と覚悟しましたが、どういうわけか、生きている。
あんなに何度も大怪我をしたのに、ちゃんと歩いている。(後遺症はあるけど)
長い間、重いうつ症状に苦しめられたけど、今では薬なしで生活できている。
多くのブラック企業を渡り歩いて、侮辱され屈辱をたくさん味わったけど、
今の職場では、戦力として役に立っている。
アシㇼパが、杉元が何故不死身なのかを語る場面がある。
鋼のような肉体はもちろんだけど、精神的な強さがあることを、彼女は知っている。
杉元本人は、自分のことをはなから“不死身”だとは思っていないのかもしれない。
ただ、今まで、無我夢中で切り抜けてきた。
その結果、こうして生きている自分がいる。
そうなのだ。
今日まで生きてこられたのは、紛れもない奇跡なのだ。
そう思うと、命が生きながらえることの困難さが実感できるというもの。
誰かを助け、誰かに助けられて、今の自分が生きていられる。
そのことに感謝して、カムイに感謝して、背後の御霊に感謝して、
今日の糧を、味わいましょう。
お互いの労苦を、ねぎらいましょう。
今日もよく、がんばりました。
天の恵みをいただいて、神の酒で祝杯をあげましょう。
生きていられること。
誰かを、信頼できること。
…それこそが、黄金に匹敵する、心のたからもの。
(エンドロール終了後にも、物語が続きますので、最後までご覧下さい)