映画 「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語」 | 映画熱

映画 「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語」

生きることは、戦うこと。 …目的を持った女の子は、最強なのよ!



「まどか」は、主人公の名前。「マギカ」は、ラテン語で「魔法の」という意味。

魔法少女モノのアニメーションとしては、かなり異色な物語です。

妻と娘と3人で、映画館へ行って参りました~


主人公は、中学生の女の子。

ある日、彼女が通う学校に、転校生がやって来た。

「助けて」という心の声に導かれて、彼女が見たものとは…?



全12話のTVシリーズが空前のヒットとなり、幅広い層から高い評価を受け、

ついに、劇場版が公開されることになりました。


第1部は前編の総集編、第2部は後編の総集編で、

第3部は、完全オリジナル作品になるそうです。



俺がこの作品に出会って驚いたことは、とてつもなくハードであるということ。

通常の魔法少女アニメに見られるような、ふわふわ感がほとんどありません。


キャラクター自体は、いかにもという感じではありますが、

彼女たちが展開する物語は、リアルな世界を超えたおどろおどろしさがある。


普通の大人でも堪え難いような苦しみに、彼女たちは歯を食いしばって立ち向かう。

その健気な姿が、かわいいキャラクターに悲哀の色を出させるのです。



観客は、彼女たちと一心同体となり、邪悪な「魔女」とスクリーンで戦う。

彼女たちの痛みは、自分たちの痛みでもあるのだ。


思春期の皆様は、特に衝撃的だと思います。

今、この瞬間に、彼女たちと同じ時間を生きていることを誇りに感じて下さい。



「新世紀エヴァンゲリオン」では、中学生の苦悩が、大人の世界の葛藤と、

自分自身の心の問題として、クローズアップされました。


「魔法少女まどか☆マギカ」では、苦悩に苛まれながらも、

自ら主体性を持って、運命と戦っていく少女の美しさが描かれています。


これは、すごい作品だ!



カワイイぬいぐるみキャラは、王道では、主人公の味方。

しかし、この作品では、そういう「常識」は通用しないのです。


この「キュウべえ」というキャラ、要注意です。

ある意味、一番オイシイポジションなんだけどね…(笑)



あまりに悲惨な情景になると、もう笑うしかない、という心境になることがあります。

そういう意味では、本作には、笑いどころも満載。


ぜひとも、ブラックなギャグで、暗い世の中を笑い飛ばしましょう!




人は誰でも、がんばっていることを、誰かに認めてもらいたい。

少なからず多からず、そう思うもの。


しかし、彼女たちの戦いは、誰も知らない。

命を懸けて、必死に戦っている姿は、愛する人にもわからない。


孤独な戦いである。

救いのない戦いである。


しかし、彼女たちは、戦う。


何故か。



それは、「望むもの」があるからである。


かなえたい「夢」があるからである。


それと引き換えに、魔法の力を得るのである。



それが、何を意味するのか。


代償を払ってまで、得る価値があるのか。



その問いは、画面を見ているうちに、消滅していった。


彼女たちの、本気の魂を感じれば、わかるのである。


他人がどうこう言える世界ではないのである。



彼女たちは、自分の目的を持って、一生懸命戦っている。


それが、彼女たちにとって幸せなのかどうかは、わからない。


ただ、そうするしかないのである。



そんな彼女たちを、誰が責められよう。


いっぱいいっぱいで生きている彼女たちを、誰が非難できよう。


少なくとも、ボンクラに生きている俺なんかよりも、


彼女たちは、立派に「生きて」いるのだから。



ただの魔女っ子アニメと、見下すなかれ。


このお嬢さんに手を出すと、ヤケドしますぜ、ダンナ。



戦いの先に、見えるものは何か。


彼女たちの、運命は?



…後編を待て!






【作品データ】


総監督:新房昭之 監督:宮本幸裕 アニメーション制作:シャフト

総作画監督:谷口淳一郎&山村洋貴 音楽:梶浦由紀 主題歌:Claris

声の出演:悠木碧 斉藤千和 喜多村英梨 水橋かおり 野中藍

       加藤英美里 新谷良子 後藤邑子 岩永哲哉 岩男潤子


 (2012年アニプレックス 上映時間:130分)



☆ほとんど超満員で、人ごみプレッシャーが凄かったんですが、

 映画が始まったら、一斉にシーンとなって、大丈夫でした。

 新潟のアニメファンの皆さんは、マナーがとてもよろしい。