映画 「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」
女体の匂いが漂ってきそうな映画でした。 …躍動するアートの世界!
誕生から50年の実績を誇る、パリ文化として定着したヌードショー、
「クレイジーホース」の舞台裏に迫ったドキュメント映画です。
ヌードといっても、最低限の場所は前張りでしっかり隠してあるので、
あまりイヤらしい感じはしません。
照明の色彩感覚や、ダンサーのシルエットなどを強調して、
生きている躍動感を伝えるような、アートな世界です。
350名収容できるフロアで、1日2回、土曜は3回あるショータイム。
毎日繰り広げられるプログラムを、いかに新しいものにしていくか…
演出・振付を担当するフィリップ・ドゥクフレを中心に、
ああでもない、こうでもないという議論が、何だか笑えます。
ダンサー達も、実に楽しそう。
素っ裸に近い姿で楽屋をウロウロする姿が、何ともかわいい。
衣装担当のオバちゃんが、セーラー服を着ているのも楽しい。
エロスとは何ぞや、と真面目に語るおっさん達も粋です。
映画を見た率直な印象は、「ケバい」という感覚(笑)
そりゃそうだ、ものすごく接近して撮ってるんだも~ん。
ほぼ全裸に近い衣装で、ごっつい化粧をして、
明るいライトを浴びて、踊りまくっている女体のドアップ。
お尻のホクロまで鮮明に見えて、どっひゃ~でございます。
うーむ… フランスのアートってスゴいなあ。
何だか、日本人として、ただただ驚くばかりでした。
見せて見せて見せまくり。
ドーンと見ていきなさいよ、お客さ~ん!って感じ。
これ、生理的に嫌な人は、耐えられないでしょうね。
エロというよりは、「見世物小屋」の感覚ですから…(笑)
たまたま映画が安い日で、時間がちょうどよかったから、見た映画です。
これもまた、不思議な縁なのでしょう。
画面いっぱいに広がる巨大な女体は、フェロモンが満載です。
芳しい肢体を、妖しく絡ませて、観客のあなたを誘惑します。
男性諸君は、色んな角度から楽しんで下さい。
女性のみなさんは、横で興奮している男の頬をつねりながら、ため息をついて下さい。
こんな映画も、ありでしょう。
尺が長いから、つまんないと思うと、拷問の時間になるでしょう。
10人が見たら、9人は下らんと言うでしょう。
著しく評判の悪い、変てこな映画です。
…さあ、勇気ある者は、映画館へ急げ!
【作品データ】
監督・編集・音響:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・デイヴィ
出演:フィリップ・ドゥクフレ アンドレ・ダイヤンバーグ アリ・マフダビ
フィフィ・シャシュニル クレイジーホースダンサーのみなさん
(2011年 フランス・アメリカ合作 R15 上映時間:134分)