ヤッターマン | 映画熱

ヤッターマン

下ネタ満載のオヤジ映画でした。 オッパイ・フトモモ・ゲロ・チンコ・キンタマ…さあ、覚悟して見よ!


昭和の人気アニメ、タイムボカンシリーズ第2弾 「ヤッターマン」 が、実写映画になってスクリーンに登場。監督は、三池崇史。脚本は、十川誠志。音楽と主題歌は、山本正之。


出演は、櫻井翔、福田沙紀、深田恭子、生瀬勝久、ケンドーコバヤシ、阿部サダヲ、岡本杏理、ゲスト出演として、小原乃梨子、たてかべ和也、笹川ひろしも登場。声の出演は、滝口順平、たかはし智秋、山寺宏一。山ちゃんはチョイ役で出演もしています。


さて、映画ですが、無邪気でお行儀の悪い作品に仕上がりました。毒は多いけど、本筋は外していません。これから思春期を迎える少年は、ワクワクドキドキしながら楽しもう。下品だけど面白い。三池監督のスゴ技を、劇場で堪能すべし。


ドクロストーンは、4個揃うと何かが起こるらしい。それを追う犯罪集団ドロンボーと、正義の味方ヤッターマンの激しい戦いは佳境に入っていた。ドクロストーンを発見した考古学者が行方不明になり、娘は父親を探して欲しいとヤッターマンに頼む。ようし、ヤッターマンに変身だ。いざ、ヤッターワン出動!


ヤッターマン1号・ガンちゃんを演じるのは、嵐の櫻井翔。「ハチミツとクローバー」 同様、存在感のない主役としてのユル演に、さらに磨きがかかりました。まあ、キャラのテキトーさだけは雰囲気に合っているような気がしますが。


ヤッターマン2号・アイちゃんを演じるのは、福田沙紀。これまた、「櫻の園」 で唯一ダメだった主役でしたなあ。うーむ、この2人の組み合わせはどうかと。でも、変な期待をしなくていいから、ある意味気が楽かと。


悪役ドロンボーの女ボス、ドロンジョを演じるのは、深田恭子。アニメではスレンダーなボディにキンキン声が魅力でしたが、深キョンドロンジョは、ムチムチボディにソフトな声。おお、これはこれでイイのではないでしょうか。コアなファンは怒り心頭かもしれませんが、俺的にはOK。入浴シーンもあるので、どうぞお見逃しなく。


手下のボヤッキーを演じるのは、生瀬勝久。おお、この組み合わせは、TVドラマ 「鬼の棲家」 で意地悪な番頭役をやった以来ですな。初々しい深キョンをイジメ抜いたオヤジが、今度は深キョンにブンブン振り回されるところが笑えます。そういえばアニメ版の 「ヤッターマン」 でも、ドロンジョとトンズラーの声は、のび太とジャイアンだったもんなあ。立場逆転って、何だか面白い。


もう1人の手下、トンズラーを演じるのは、ケンドーコバヤシ。彼にはあまり期待していなかったのですが、以外とよかった。何というか、ボヤッキーとのカラミが実に面白い。深キョンドロンボーのもとにこの2人を配置したバランスが、なかなかよろしい。このトリオは魅力的だと思います。映画を見ていて、何だかドロンボーを応援したくなっちゃいました。


特筆すべきは、考古学者阿部サダヲの娘を演じた、岡本杏理でしょう。彼女は、「砂時計」 で脇役を演じた女の子。華はないけど力強いセリフの言い回しが少し印象に残っています。本作では、彼女の何がいいかと言うと、ズバリ、フトモモです。ヒロインの露出度がゼロに近いこともあって、彼女のヒラヒラスカートはなかなか注目ポイントでした。


ドロンジョのオトナの魅力とも違う、“青い” フトモモ。さすがは三池監督。「妖怪大戦争」 のフトモモシーンも絶品でした。フトモモ星人の皆様、本作の劇中、彼女がサソリにかまれた場面をどうぞお見逃しなく。ガンちゃんが、彼女のフトモモを吸う・吸う・吸いまくる!その吸われる場面での、彼女の手の演技がエロい!ああ、たまらんシーンです。ここだけで充分、金を払うだけの価値がありました。まさに、キング・オブ・フトモモ監督と呼ぶにふさわしい。三池監督、これからも美しいフトモモを撮り続けて下さい。フトモモファンとして応援します。



本作には、数々の小ネタも登場します。竜の子プロダクションの様々なキャラも、ところどころに出ますので、画面の隅々までお楽しみ下さい。それから、ビックリドッキリメカも結構笑えますので、チビッ子が楽しめる要素もふんだんにあります。表向きは健全路線なんですが、スキマスキマに下ネタと下品なジョークがちりばめてあるって感じ。


個人的には、ちょっとコスチューム的に不満が残りました。ヤッターマンの仮面が、目もとがやたらに空いているのが気になる。これはたぶん、演じる俳優の事務所の都合で、顔がはっきりわかるようにしてくれとか言われたせいなのかもしれない。でもこれは、はっきり言ってカッコ悪い。まるで、女の下着を被っている変質者に見えてしまいそう。アイちゃんなんか、紫だもんね。何だか、永井豪の 「まぼろしパンティ」 を思い出しちゃいました。それはそれで、三池監督の変態性の自然な表れということで解釈すればよろしいかと。


本作は、一般ウケはしないかもしれませんが、ヤッターマンで育った世代はきっと理解してくれるでしょう。子供は子供の視点で、大人は大人の視点で楽しめばよろしい。彼女とデートで見に行くなら覚悟せよ。場合によっては、険悪なムードにもなりかねないけど、ツボにはまれば、見た後にセクシーな時間を過ごせる可能性もあり。まあ、野郎同士で行くのが一番盛り上がりますね、きっと。


そして、山本正之が歌う 「ヤッターマンの歌2009」。これを劇場で聞いた時は、目頭が熱くなりました。「ヤッターキング2009」 を歌うのは甲本ヒロト。そして 「天才ドロンボー」 も深キョンたちがノリノリで歌います。思わず手拍子したくなる瞬間でした。世代を超えて、この珍作を大いに楽しんじゃいましょう。




“お色気” こそは、「ヤッターマン」 の重要な魅力の1つである。正義がいて、悪者がいる。両者の火花を散らす戦いの中に、ドロンジョのあられもない姿がチラリと見えるのがいい。何事も、緊張状態が続くとヘトヘトになってしまう。張り詰めた空気は、エネルギーを著しく消耗する。緊張と弛緩のバランスがあってこそ、パワーを最大限に発揮できるというものなのだ。


我慢ばかりしていると、精神が崩壊してしまう。俺も20代の頃は、本気にやり過ぎて色々失敗したもんです。やりたいことと、やらなければならないことのバランスがうまくいかなくて、落ち込む毎日でした。だから、ヤッターマンみたいに気楽にがんばれたらなあって思ったものです。


人間は、不完全な生き物です。できることと、できないことがある。本来できるはずのことが、どうしてもうまくいかない時がある。反対に、できなかったことがいつの間にかできるようになったりする。理屈通りにはいかないところがあるように、理屈を超えた力だって確かに存在するのだ。そのパワーの源は、人によって微妙に違うもの。


俺の場合、緊張と弛緩のバランスを保つために必要な要素が、ユーモアなんです。どうせやらなけりゃならないんだったら、少しでも楽しめる要素を考える。怒りに震えている状態を鎮めるには、笑いの要素をおり混ぜる。過酷なストレスに立ち向かうには、より強力なユーモアが必要になるもの。


その大きな役割を担うのが、“下ネタジョーク” なんです。エロこそは、万人が潜在的に持っている力。まさに、生命の根源。だって、誰もが思うはずでしょう。気持ちよくなりたい、って。


いいことすると、気持ちがいい。おいしいものを食べると、気持ちがいい。温泉に入って気持ちがいい。人を楽しませて、気持ちがいい。人と喜びを共有するのって、ホントに気持ちがいい。


女が喜ぶ、と書いて “嬉しい” と読みます。男は、女を喜ばせてやりたいもの。彼女が喜ぶ姿を見て初めて、男は嬉しいと思うものなのだ。だから、1人よがりの気持ちではなく、相手を思う心がないとダメなんです。自己中心な行動は、いい結果を残さない。ギャグがウケるのには、ちゃんとした根拠があるのだ。


飲み屋の女性たちと話していると、実に勉強になります。俺の下ネタジョークは、彼女たちとの会話によって鍛えられました。やっぱりオヤジは、下ネタジョークの1つも言えないとね。


本作は、いつものことながら、会社のM先輩と2人で見に行きました。そのあとガストで2時間半くらい熱く語り、行きつけのスナックBTで延長戦。「ヤッターマンの歌」 の映像付きカラオケを、酔っ払いオヤジがいっぱいいる店内で熱唱しました。B型のYちゃん、手拍子どうもありがとう。おかげで昨夜は大いに盛り上がりました。


この世にヤッターマンがいる限り、悪は決して栄えない。キミの心にヤッターマン。つらい時こそ下ネタジョーク。気持ちイイことみんなでしよう。清く正しく美しく、エロく雄々しくイヤラしく、俺のケンダマジックが、キミのシビレステッキを刺激する!気持ちよく戦い、勝利の快感に酔いしれよう。自分の力で勝ち取った、喜びパワーでポーズを決めろ! …ヤッター、ヤッター、ヤッターマン!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月14日 劇場:ワーナーマイカル県央 17:00の回 観客:約50人

会場まで少し時間があったので、近くのゲーセンに行ったら、巨大チョコをゲットしてしまいました。おお、ちょうどいい。ホワイトデーだから、飲み屋のねえちゃんのおみやげにしよう。ちなみにM先輩は、巨大サラミをゲット。…男根かい!慌てて駐車場の車に置きに行って、映画館に戻ったらもう会場してました。ああ、慌しいこと。


【上映時間とワンポイント】

1時間51分。エンドロール終了後に、ウソッぽい予告編あり。できれば、製作していただきたい。


【オススメ類似作品】


「妖怪大戦争」 (2004年角川)

監督・脚本:三池崇史、出演:神木隆之介。この映画の主役は、川姫のフトモモです。ドアップのフトモモに少年の手が触れる場面が2回。その弾力の瑞々しさは絶品。キリンビールの一番絞りを飲みながら堪能しましょう。


「漂流街 THE HARD CITY」 (2000年大映)

監督:三池崇史、原作:馳星周、出演:TEAH。小ネタ満載の粋なアクション映画。CGのラーメンと、ニワトリのマトリックスキックが爆笑でした。卓球をやる時の、及川光博の表情がスバラシイ。


「ウルトラQ」 第19話 「2020年の挑戦」 (1966年TBS放映)

監督:飯島敏宏、脚本:金城哲夫・千束北男、出演:佐原健二。誘拐怪人ケムール人登場。各地で人間が蒸発する事件が多発。本作を見ていて、これを思い出しました。 …ブァッファッファッファッフ。