オーシャンズ12 | 映画熱

オーシャンズ12

いっぱい出ているわりにというか、出すぎてなのか、今ひとつ盛り上がりに欠けた映画でした。


悪くはないし、つまらなくもないのですが、なんというか、大味という印象は否めないでしょう。


かつて、「セックスと嘘とビデオテープ」でカンヌをブイブイいわせたスティーヴン・ソダーバーグ。同作は俺も衝撃を受けました。淡々と進める独特の演出に舌を巻いたものです。


ところが、「トラフィック」、「オーシャンズ11」と作品群が増える度に、どうも才能を怪しむ雰囲気がでてきちゃって、俺的には、ヌルい監督に区分けされるようになりました。


彼のファンには申し訳ないのですが、俳優同志の自己満足のレベル止まり。見た直後は、面白かったような気がするけど、映画熱が冷めれば、そんなでもないなって感じた人、いるんじゃないかな。


役者の中で問題があるのは、ジュリア・ロバーツ。前作ではもっと歩き方を練習させた方がよかった。気品が感じられないと、マフィアのボスが惚れたりしないって。「プリティ・ウーマン」から早く脱皮しないとね。「エリン・ブロコビッチ」はまんまでいいけど、いつまでも同じキャラばっかりだと飽きられるかも。で、今回はなんと本人役で登場。本人のふりをする偽者なんだけど、結構楽しそうにやってた。これって、監督のいうことを聞かないから苦肉の策で…なんて想像しちゃいます。ちなみに彼女の出ている映画で俺の好きな作品は、「ペリカン文書」です。緊張感のある表情がたまらんかった。いいもの持ってるんだから、磨きましょうよ。


他にもいろいろ問題はあるけど、やっぱりヤバかったのは、クライマックスのネタが、「エントラップメント」と同じだったこと。キャサリン、お前出てたんだから、監督に教えてやれよ!「あれはアタシがやったオチよ。パクリだわ」ってね。


そういうわけで、この映画からは、新しい発見はありませんでした。余談ですが、いっぱい出すぎてストーリーが霞んだ映画というと、「スリーパーズ」なんてのもあったなあ。