美しい無私の心、ここに - 『殿、利息でござる!』- | 衝動買いはやめられない!デジタルカメラ販売員奮闘記

美しい無私の心、ここに - 『殿、利息でござる!』-

さて、エアレース予選も急遽中止となり、その後どうしよう…?。

 

「映画でも見に行こうか」と職場の同僚3人と三井アウトレットパーク幕張を散策後、迎えた午後15時30分。

 

シネプレックス幕張にて、たまたまちょうどいい時間だったから、内容とかキャストとか全く何も分からないまま選んだ

 

殿、利息でござる!

(非常に人間関係の相関図、時代背景が分かりやすく、これからご覧になる方はじっくり予習して行くとより楽しむことができます。)

 

一体どんな映画なんだ?。映画感で映画を見るのは昨年の「マッドマックス 地獄のデスロード

 

以来。そして邦画で最後に観た映画は小さいころ両親に連れられ、確か観たい映画が満席だったから訳もわからず寅さん二本組を見させられたぐらい邦画には縁遠いkuwa77。

 

タイトルだけですと、ちょっとした江戸時代のギャグコメディかな…、ぐらいの認識しか無かったのですが…実際には暗い影を落とす中で活躍する美しい群像劇が目の前で繰り広げられます。

 

時は1766年、財政困窮の仙台藩の宿場町、吉岡宿では百姓、町人も重い苦役ですっかり疲弊し町は寂れ、夜逃げも続き、どうすればこうした苦難を乗り越えられるか。

 

そこで吉岡宿の茶師の知恵者、菅原屋 篤平治(瑛太)に、ある考えが浮かびます。

 

お役人が搾取し、弱小者が搾取されるのならば、搾取される側が大金を用意し藩に貸し付け、その利息を百姓、商人に還元できるシステムが出来ればこの苦難を脱することができるのでは。

 

しかし必要な金額は1000両(現在の日本円で約3億円)。途方もつかない膨大な額をどうかきあつめるか。

 

そして出資金が集まった所で、必ず藩が借りてくれるかすらも分からない。

 

何か企みが、私心があるのでは?。表ざたになれば打ち首になるかもしれない。

 

水面下で繰り広げられる権謀術数。

 

どうしても生じる人間の驕り、虚栄心に対する葛藤と戒め。

 

数年の月日を経てかき集めた1000両、しかし…。

 

それ以上はネタバレになりますので控えますが、いざ見始めたらぐいぐい引き込まれるストーリー、号泣までいかないものの、涙腺崩壊まであともう少し、とほろりとさせる絶妙かつテンポのいい展開。そして余韻も爽やかで皆が幸せになるハッピーエンドに大満足。

 

「平等」とは夢物語。富める者、貧しき者。搾取し搾取され、搾取され続けて何も無くなってしまったらどうなるか。全て疲弊し、全て朽ち果て希望無き未来に。

 

名声を捨て、私欲を捨て苦しむ民衆の為に立ち上がった同志、それに共感し、やがて対極にある者同士がお互い分かり合え、希望が生まれ、それが現代の街にも受け継がれていく。丁寧な描写と個性的、かつ適切かつ重厚、好演、熱演のキャストが美しい物語への肉付けをより豊かなものにしています。

 

「エアレース予選中止」が無かったら、全く気付かなかったかもしれないし、数年後TVで再放送されても見たかどうか。

 

アクシデントで偶然観た映画でしたが優しい気持ちで映画館を後にしたのでした…。

 

■URL

 

『殿、利息でござる!』大ヒット上映中!

http://tono-gozaru.jp/

 

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