フィリピンで起こっている紛争 | KUUTV(くーてぃーびー)

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くうのにゅーすどうがのかきおこしをよういしたわよ。
ほぼまいにちとどけてあげるわ。

フィリピン政府と、フィリピン東部ミンダナオ島の和平が、不透明な情勢になってきました。
今日はこの話題です。

そもそも、このミンダナオ島和平問題とはなにか、紐解いていきましょう。


フィリピンは人口1億人ほどで、その8割以上がキリスト教徒で構成されています。
イスラム教徒が全体の約5%いますが、多くが、ミンダナオ島に暮らしています。

ミンダナオ島の人口は約2000万人。
欧米はこの地に、コールセンターを開設しています。


そのミンダナオ島のイスラム教徒が、キリスト教徒の流入に反対し、1970年頃から紛争が激化してきました。

このイスラム教徒の武装勢力は、「モロ・イスラム解放戦線」と呼ばれます。

これまでに6万人以上が死亡し、2012年に和平合意がなされました。
2016年に、ミンダナオ島内に自治政府を設立することも合意され、現在、準備が進んでいます。


そのような流れで、2012年以降、一旦は紛争が収まったかに見えましたが、今年1月25日、衝突が起きました。

衝突が起きたのは、ミンダナオ島マギンダナオ州。

フィリピン政府側の警察特殊部隊が、「モロ・イスラム解放戦線」の支配領内に入ってきたことで戦闘が起き、警察44人が死亡しました。

なぜ警察特殊部隊が入ってきたのか、背景は明らかになっていません。


先ほども述べたように、現在、自治政府の樹立に向けて準備が進んでいるところですが、現在、その関連法案が国会で審議されてもいます。

しかし、この衝突を機に、審議はストップ。

フィリピンでは、2016年に大統領選挙が行われますが、大統領の再選は禁止されているため、現在の内閣の内に自治政府を設立しなければ、時期大統領が、同じく樹立を承認する保証がありません。

残り1年で、自治政府を樹立させるためには、まず、「モロ・イスラム解放戦線」の武装解除が約束です。

そして、先に述べた関連法案を2月末までに成立させなければ間に合わないのですが、これが頓挫しています。


一体この先どうなるのか。
あまり報じられていないニュースですが、欧米のコールセンターが進出するこの地で起こっている、喫緊の課題を取り上げました。