エフェクターってちっこいやつは006Pの9Vで駆動するけど、複数使用するときのボード組み込みなんかはパワーサプライがあると便利ですよね。そんなわけで80年代からパワーサプライを使っているんですが、やっとのことリニューアルしました。


今まではこれです。Guyatone AC-101。18Vを改造してます。


そして、これが新規の自作バージョンです。

頑張って小さくまとめました。とはいっても外部にACアダプターがあるわけですけどね。

電源が供給されると各出力の横のLEDが点きます。

一番左は18V切り替えで、18Vのときは赤になります。

なんで自作したかというと、部品と手間が余っていたからです。こんな感じの製品は某音屋さんとかで1万円そこそこで販売されていますので、どうぞ皆さんは楽をしてください。

この箱はタカチ電機の市販品で、これに合わせて回路と基板を設計して組み立てました。延べ丸1日かかったでしょうか。
機構は単純です。12VのACアダプターから9V出力のDC-DCコンバーターを通して出力しているだけです。但しコンバーターは出力毎に設けていてトランスで完全に絶縁されています。
これのメリットは複数のエフェクターがあたかも単独のバッテリーで動いているのと同じ作用になることです。
一つの出力をパラレルで配るとノイズ発生の原因になるのです。これはグラウンドループ(GNDループ)といって電源ラインのGNDと音声ラインのGNDの両方が接続されて、ループ状に電流が流れることを意味します。デジタル系などの大電流のエフェクターでループすると、駆動電流が音声ラインに回り込んでしまう可能性があり、そうなるとデジタルノイズが音声として聞こえてしまうことになります。まあ、MXRなどの微小電流機器ならループしてても気にすることは無いですよ。

実はもう一つの製作理由が、最近手に入れたこれの駆動のためです。
VOXのStraight6、別名は直6。真空管のオーバードライブです。中古で格安だったんです。内部の昇圧で200V駆動しているそうです。サスティーンがあってかなり気持ち良いサウンドです。これは当たりのエフェクターですね。底面に乾電池を入れるところがあって、ケースがデカいのはまあ仕方ないかな。
これって真空管をヒートアップするのでかなりの電流を必要とします。そこで、今回の電源の出番というわけです。

小さくまとめたけれど、それでも気になるのは外部のACアダプターなんですよ。今どきの機器ってみんなACアダプターじゃないですか。そもそもなんで100Vが直接生えていないのかというと、天下の悪法であるPSEのせいなのです。100V直の機器を販売するには法的機関のPSE検査を受けなければなりません。そのためには検査用の試作機を何台も提供して、更に検査費用もかなりのものになります。これでは大手の企業しか対応できません。その結果あまたの中小企業は部品として中国製のACアダプターを買って製品に添付する方法に切り替わったのです。これで得したのは儲かった中国と、PSE検査の天下り企業を作った役人です。なんてことをしてくれたんでしょう。