好きなアーティストとか気になる曲の音を再現したいという欲望はギターを始める原動力だと思います。憧れのミュージシャンと同じギターがあれば同じ音が出せると思うし、成りきることができて、もう昇天できますよね。


僕の場合、子供の頃にテレビから流れてきたギターにロックを感じてときめいたのです。例えば井上尭之とかなんですが、その中の一つに「森田公一とトップギャラン」があったのです。「青春時代」が大ヒットしたのでご存じてすよね。この曲のリードギターの音が素晴らしくて、ギター音の一つの指標になりました。当時はギターの知識なんてあるわけもなく、テレビの解像度も酷いし、サンバーストのレスポールっぽいことだけが判別できていました。


「青春時代」の音はテレキャスターみたいな抜けの良さがありながら中域の粘りもあるという、絶妙な音なんです。歪みは全くないクリーントーンなので、ギターの音がそのまま出力されているはずです。そういえば、当時のギターってあまり歪んでないですよね。


それから、何年も何台も色々なレスポールを弾いてみましたが、どうしてもあの音が再現できないのです。実は、師匠として敬愛するギターリストがストラト使いだったので、基本的にストラトばっかり弾いていましたけど、たまにレスポールを弾いては、やっぱなんか違うぞ、って思うわけです。


そんな事を50年間やってきたら、youtubeでLes paul Deluxeを弾いている動画が…‼️



そうなんです、ミニハムバッキングの音だったんです。これじゃ何本も普通のレスポールを弾いても同じ音が出るわけないです。

そんなわけで早速Les paul deluxe(現行品)を買って試したところ、正にあの音が出たんです。


トップギャランの他の楽曲も、ほぼレスポールですが、ピックアップのポジションとかの設定がいろいろあって、全部が青春時代の音ではないです。青春時代だけブリッジポジションでフェンダーツインリバーブに直の設定だったんではないかな。だからテレキャスターみたいな抜けになっているのでしょう。なお、動画の演奏はネックポジションを選んでいるので、オリジナルのレコードだけ違うのかもしれません。他の曲はほぼネックポジションです。太さが加わって鈴なりも綺麗でたまりません。

クリーントーンでメロディーを弾くならミニハムバッカーは最高です。まだ試したことがない方は楽器屋さんで新品が売られているので、ぜひ一度弾いてみてください。

超少数派のLes paul deluxeの布教活動でした。