某大手のリサイクルショップで音がでないというジャンクのギターアンプを見つけてしまいました。



Hughes & KettnerのStatesman DUAL EL84 というモデルです。真空管アンプで出力20Wです。念のため購入前にチェックしましたが、説明の通り真空管はヒートアップしているにも関わらず全く音がでませんでした。おまけにパワーインジケーターも点灯しませんでした。かなり重症かもしれませんが、一応電気のエンジニアのはしくれなのでなんとかなるだろうということです。

早速分解してみたところ、なんとスピーカーケーブルが外れているではないですか。これはラッキーです。無事に音がでました。インジケーターはLED 3個が直列接続になっていて、何故か全てオープンで壊れていました。かなりの大電流が流れたようです。これらのLEDを交換して点灯するようになりました。
因みにシャーシを外す方法について、ある方の記事に「こんなところを外すのか!」みたいに書かれていて、納得しました。それは無いだろ!みたいな感じです。

音が出ると新たな問題が見つかりました。リバーブがかからないのです。それから全ボリュームPOTがひどいガリノイズです。POTについてはいつものように接点復活処理で直りましたが、リバーブは半導体回路を通しているのでちょっと厄介です。信号を追っていくと、どうもリバーブタンクのあたりで途切れているのが判明しました。リバーブタンクの接続コネクター部分で断線していたのです。リバーブタンクは振動吸収するようにバネで浮かしてあったのですが、ケーブルは固定されているので、揺れるたびにケーブルに負荷がかかって切れてしまったようです。これはあまり良い設計ではなかったようです。
そんな感じで案外簡単に直ってしまいました。電気屋だった自分に感謝です。


真空管はECC83 x2, EL84 x2でフルチューブの様ですが、信号切り替えやリバーブやセンドリターンなどにオペアンプ、アナログスイッチを使っているようなので純粋のチューブアンプではないかもしれません。クリーンチャンネルとドライブチャンネルの切り替えがあり、クリーンはかなりスッキリしたサウンドで、ドライブチャンネルはハイゲインまで対応しています。今時のサウンドもアンプだけでなんとかなりそうです。20Wとはいえ、かなりの音圧になるのでライブまでまかなえそうです。ライブの予定は無いですけど。