ギター遍歴その2として1980年代に手に入れたギターを取りあげてみます。この年代は色々な体験をしながらギターが増えていきます。


5.KAWAI V-1 ブラウンサンバースト 1981年製


その昔、北の丸公園の科学技術館で楽器フェア―が2年ごとに開かれていて1981年のフェアーで有りがたくいただきました。入場券にくじが付いていて殆どは末等のピックがもらえたりするやつで、箱に手を入れて出てきた紙を開いたら♯KAWAIギター♯と書いてあって、それはもう驚きましたね。何万人分の1ですからね。KAWAIブースにそれを持っていったらKAWAIの人がびっくりして、これから表彰式?をしましょうという流れになり、大勢の前でそれはもう嬉しさ以上にはずかしかったです。まあ、これで人生のツキを使い果たしたということです。

スルーネック、24フレット、3xシングルPU、ブラウンサンバーストという当時のはやりのスペックでした。アレンビックとかBCリッチの真似をしていた頃ですね。その場でギターと同じシェイプをしたシルバーのソフトケースに入れられて帰宅しました。

音はストラトと比べるとさらにシャリシャリ気味で今一つ使いにくくて出番が無く、友人に差し上げました。先日久しぶりに再会したとき伺ったら、今も手元にあるそうです。なんか有りがたいです。


6.Cat's Eyes CE-800S 1978年頃製



マーチンD-18のロングサドルのコピーです。1985年頃に仕事先の同僚が使わないからということで、譲っていただきました。オール単板の立派なアコギだったのできちんと使えました。後々本物のマーチンを経験するのですが、マーチンよりも明らかに硬い音でした。もう少し中域の円やかさがあれば今も使っていたかもしれません。

頂いたときからトップに2本割れがあり、自作ピックアップを付けてサイドにジャックを増設したり改造しまくりでしたが結局元に戻しました。今は手元にありません。


7.FENDER STRATCASTER 1974年製 ブラック/メイプル指板


メインのストラトはアッシュボディーで重いので70年前半のアルダーボディーのストラトが欲しくて1984年頃に手に入れました。音はそこそこだったけど各部の作りが案外いい加減だったことを覚えています。まあ、アメリカですから細かいことを気にしちゃダメですね。

当時はまだ自分でメンテできるスキルが無かったので入手して直ぐに銀座山野楽器に持ち込んでメンテしてもらいました。アルダーのせいなのか分かりませんが音が軽い感じがして、当時の音楽傾向では出番が少なかったです。結局78年製の方がメインだったので手放しました。ブラックは少なめのカラーなので持っていればよかったかも。


8.FENDER STRATCASTER 1962年製 ショアラインゴールド 1985年頃購入



師匠の土屋昌巳氏がオールドのストラトを使っていたのでまねしました。さすがに同じ仕様のオールドはなかなか無いので自分の耳と感覚を頼りに探しました。後々分かったことですが師匠のギターは60年前半ボディーに65年ネックが付いていたようです。当時はまだ普通に手が届く価格だったので、とりあえず東京の楽器屋を巡り選びました。

お茶の水の黒沢楽器(当時は三省堂方面にあった)でやっと出会えたのです。数本のオールドストラトがあったので、数時間弾き比べして一番いい音が出たこれに決めました。そのときの店員のトークが忘れられませんけど。「良い楽器を弾くと上達しますよ」だって。確かにその通りですが、おまえ下手くそだなと言っているのと同じですよね。色も渋くて音も良くて、結局悩んだのは支払方法だけでしたね。

これはビンテージギターという写真集に載ってるギターです。いわゆるコレクター垂涎のやつだったのです。スラブボードのショアラインゴールドは未だに他で見たことがありません。ストラトの本に載っているやつは僕のです。

罰当たりですが、これをメインにガッツリとライブなんかで弾き倒していました。当時流行りのシャーラーペグに替えたり、全てのピックアップの組み合わせができるように配線を変えたりもしました。ペグのザグリは後々残念なことだと分かりますが当時はオールドでも中古に毛が生えた程度だったのです。

随分とメインで使っていましたが2008年に手放しました。市場価格の高騰で家に置いておくだけでもビビり始めたからです。気が小さいんです。ヴィンテージショップに持っていって、こっちの言い値で買ってもらいました。もう演奏する楽器ではありません。


9.Mosrite ジョーメイフィスモデル 1966年製 サンバースト


恥ずかしながらわたくしです。

これも師匠の土屋昌巳氏がこれを使っていたので1986年頃に手に入れました。

本物のモズライトです。きちんとテケテケできます。12弦、6弦のダブルネックで12弦の音が倍音豊富でめちゃくちゃ良かったです。フェンダーの12弦と弾き比べましたがモズライトの方が圧倒的に良いサウンドでした。欠点は6弦側のネックが細くて弾きにくいこととそれなりに重いことです。さすがに出番が少ないので手放しました。後々12弦サウンドが忘れられずにまた買ってしまことになるとは。


10.FENDER TELECASTER CUSTOM ナチュラル/ローズ指板 1978年製 1987年頃購入

画像無し


なんかテレキャスターが欲しくなって手にいれました。フェンダーが好きなんです。フロントがハムバッカーなやつです。ナチュラルボディーにローズ指板はちょっと珍しいです。78年製のストラトのネックと同じマイクロチルトなのでネックを入れ替えて使ったりもしました。テレキャスターヘッドのストラトもなかなかカッコいいです。次のギター購入のために手放しましたが、今、セスラバーハムバッカーのテレキャスターが欲しいので持っていれば良かったです。


11.YAMAHA APX-10 ブラックバースト 1988年頃新品購入


当時のカタログから。これのブラックです。

バンドでアコギを使うためにエレアコを探してこれにしました。お茶の水の谷口楽器で購入です。

ボディーは若干小ぶりでネックの握りはエレキに近かったのでエレキから持ち替えたりときに違和感が少なかったです。ピックアップを通すとそれなりに使える音がしますが生音は鳴りがあまり良くなかったように覚えています。昔のエレアコってそんなもんでしたよね。ステレオ出力がついていて、1,3,5弦と2,4,6弦が左右になります。不思議なステレオ感で面白かったけど実践では使いにくですね。今はありません。


終わりに

やはり、62年製のストラトは別格でした。本当にギターに弾かされる感じで次々と流れるフレーズが出てきました。ギターはあくまでプレーヤーのものであって投資対象になってほしくないですが、文化遺産を残す方法としての投資という面もあるようなので微妙ですね。

次回は円熟?の1990年代