かなり前のことになりますが、MXRのenvelope filterの中身無しの状態を手に入れていて、いつかは復活させたいと思ってはいたもののしばらく忘れていました。最近物を整理していたら見つけてしまって、この機会にやってしまうことにしたのです。


実はこのエフェクターはとても好きで滑らかなスイープと上品なフィルター音に惚れていて、昔から欠かさずセットアップしています。要するにオリジナルのちゃんとしたやつも持っているんです。

まず、復活させるには中身がなくては始まりません。基板設計からスタートです。回路はネットで分かるし実物もあるのでパターン設計はあっという間です。因みに僕は電子回路設計を生業にしています。

こんな感じでマウントも済みました。ロジックICが有りますが昨今は表面実装が主流なので対応パターンをおまけにつけました。DIPが用意できたので使ってないですけど。部品配置はオリジナルとほぼ一緒です。

さあ、組み立てです。右側が愛機のオリジナルでDC入力改造を施しています。オリジナルに近づけるためにジャックはスイッチクラフト、POTはCTSにしたのでほぼ一緒です。

さあ、電池を入れて音を出してみます。…なんと、うまく動作しません。何かが違うのです。オリジナルを並べて部品を見比べると直ぐに違いが分かりました。一部の抵抗値が異なっているんです。ネットの回路を信用してはいけませんね。抵抗を修正して動作は完璧になりました。オリジナルと全く変わりません。これでサブとして生き返って使えます。

比べるとわかるのですが、envelope filterの字体が違いますね。どちらが古いのかはわかりません。
このenvelope filterは復刻販売されていないのでネット検索すると自作する方が多いのがわかります。そこで注意点です。部品の選定に気を付けなければなりません。
ロジックICの4069はメーカーを選びます。テキサスとRCAがそのままでは使えませんでした。ある記事によるとオリジナルがRCAとなっていますが、手持ちのRCAはダメでした。僕のオリジナルはICの文字が判別不能でメーカーはわかりません。一部の抵抗値を調整すると使えるみたいですが、オリジナルを知らないと落としどころがわからないと思います。今回僕はTOSHIBAを使いました。
もう一点はPOTです。500KのCカーブを使います。Bカーブだと設定が急変します。Aカーブを逆に使うのも良いと思います。