買ってきた早々モズライトの修理をはじめたわけです。ネックを外してフレットを抜き、バインディングを剥がしました。ナットとペグも外したので、もう木部だけです。

フレットの溝はガタガタだったのでエポキシにローズ粉を混ぜたもので埋めて溝を切り直しです。ついでに指板の1弦側を少し削ってストレートを出しました。


バインディングの接合部の木材が削れているところがあったのでメイプルの埋め木で修復してから新たにバインディングを貼りました。もちろんサイドポジションマークも施しました。
フレットはオーバーバインディングです。といっても1弦側はバインディングを丸めたので殆ど効果無しです。12弦側は丸めを少なくしたので1mmちょっとオーバーできました。12弦の場合、ローEの外にハイEがくるのでこの余裕が弦落ちを防ぐわけです。

モズライトのネックは細くて薄いと言われてますがこれは太めみたいです。元々ナットのところで指板の幅は40mm少しあるのでバインディングをふくめて全体の有効幅は42mm程になりました。フェンダーとほぼ一緒です。62年製のジャスマスターと比べても若干太い感じがします。

ナットは手元にあったブラスの丸棒から削り出して作りました。オリジナルのナットは弦間隔があまりにもいい加減だったからです。

ネックが完成したら組み立てて調整です。ここで12弦を張らずに6弦にしています。トレモロ付きの12弦はチューニングが大変なんです。弦の張力とトレモロのバネに相互に力が加わり釣り合っているので、1本の弦のチューニングを変えると残りの弦のチューニングが狂ってしまうのです。想像してみてください、ペグを1つ回したら残りの11個を回すのです。11個の1つ目を回したときに最初の1つ目もまた狂いますね。計算が良くわからないけど統計的にはとんでもない回数になります。まあ、落ち所を見越して適当に回すとなんとなく合いますけど、でも6弦に比べたらその数倍の時間がかかるわけです。とにかく、12弦とトレモロは相性が悪いです。それで、6弦にすると普通のMark Iと同じになるのです。当然ながら音は一緒です。