樹原涼子さん作曲のピアノランド2 に、
"レインレイン"という曲があります。
挿し絵に、雨の降る公園を悲しそうな顔で眺めている女の子がいます。
この曲は短調(簡単に言うと暗い曲)です。
雨が降ってるから外で遊べなくてつまらないな、という気持ちを表しているのでしょう。
この曲が次の宿題になった一年生のM君に、
「M君も雨だとつまらないでしょう?"」と聞くと、
「ううん、僕雨好き!
家の中で遊べるし、雨の匂いが好き。雨の降る前の匂いも好き。」
そう言われてみれば、私も子どもの頃、家の中で雨音を聞きながら、本を読んだり人形遊びをするのが好きでした。
ステレオタイプの随分とつまらない質問をしてしまったものです。
それにしても、雨の匂い、は何となく分かるとしても、雨が降る前の匂いって、どんな匂いなのでしょう。
空気の湿った匂い?
M君曰く、“いい匂い" だそうです。
さて、宿題になった曲は、私が一度弾いてみるのですが、曲が気に入ると、「もう一回弾いて!」と言うM君。
そして、つい最近まで電車に夢中だったのに、今は日本の歴史上の人物に熱中している君の成長ぶりには、目を見張ります。
ところで、初めの方に、"短調とは暗い曲"と簡単に説明しましたが、私の師匠はこうおっしゃいます。
"短調を明るいと感じる子もいるかもしれないし、それは間違いではない。大人の感じ方を決して子どもに押し付けてはいけない。"
時に驚かせられる子ども達の豊かな感性。
師匠のこの言葉を胸の片隅に置いて、日々レッスンしています。