高校生の質問に答える医師

 

東雲です。

 

今回は高校生から寄せられた質問に答えたいと思います。

 

このシリーズ、私が くわみず病院の研修医ブログ をやってたときに連載していたものの続編です。

 

くわみず病院で夏季休暇や冬期休暇などで開催されている高校生医師体験に参加された生徒さんから寄せられた質問の一部をお答えしたものです。

 

興味のある方は以下のリンクからご閲覧ください。

↓↓↓

その① 医師になって良かったと思えることは何ですか?

その② 精神的に弱い自分でも医師になれるのでしょうか?

その③ 内科の仕事って、どんな感じですか?

その④ 医師になるために高校生時代にやっておくことは?

その⑤ 医師の鬱や過労死についてどう思いますか?

その⑥ 科学技術の発展は医療現場にどう影響していますか?

その⑦ 医師であるが故の悩みは?

その⑧ 医学部受験の戦い方は?

その⑨ 病気を患う患者さんの苦痛をやわらげる方法は?

その⑩ 医師として働くためにどんな能力が大切か?

 

 

 

…で、くすのきクリニックの所長になった現在、私は今年の夏に行われたくわみず病院での高校生医師体験の対応はできなくなりました。

 

けれでも寄せられた質問には頑張って答えて、先日、その質問回答集を完成させました。

 

参加した生徒さんには担当者からそれぞれ配布されますが、この回答集は過去に受けた質問+今回新たにきた質問すべてに私が回答しております。

 

およそ70の質問で、A4用紙66枚ほどになりますので結構なボリュームですね。

 

そのうち『医師が高校生からの100の質問に答えてみた』みたいな書籍が出せるかもしれませんね(まぁ、かなり校閲されると思いますが)。

 

 

 

なお、回答については私見が入るため、あくまでもご参考程度でお願いします。

 

私の言うことを真に受けないよう、できれば他の医師の意見も聞いた方が無難ですからね。

 

それでは、どうぞ。

 

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質問:「勉強はあまりしない方だった」と医学生も医師も言ってたが、「しない」の基準が分からなかった。どのくらいのものか?

「俺、あまり勉強しないんだよね」のセリフ。

 

よくあるのが、テストの前とかにそう言っておきながら余裕で高得点を取っちゃう人がいることです。

 

自分を格上げすることもできるし、せいぜい点数が伸びなかった時の予防線にすることもできるから、とっても便利なセリフですよね。

 

医師体験で対応してくれた医師や研修医の先生方、そして学生諸君がそう仰っていたのですか?

 

でも、それは単なる謙遜でしょう。

 

 

この件において私は高校時代において、真に「勉強しない方」だった自負しています。

 

(実に悲しい宣言です)

 

ここからは私自身の経験談となります。

 

 

 

私、昔から勉強そのものにあまり興味はありませんでした。

 

「数学が楽しい」とか、「英語に興味がある」とかは一切ありませんでした。

 

ただ、医師になりたいという夢はあったので医学部入るためには頑張らないと、と思っていました。

 

でも、勉強をやみくもにやっても、あまり効率的ではなかったし、暗記物を覚えるのがつらかったので放置してましたから、試験の点数が伸びるわけがありません。

 

数学は父親からずっと教えてもらっていたので、かろうじて一定水準はクリアできていたのですが、英語・国語といった文系教科がまったくダメでしたね。

 

自分では勉強しているつもりでも、医学部入りたい人はその数倍~数十倍はやっているものですから、そもそも足りてなかったのです。勉強量が。

 

でも当時はそれで危機感がなかったのです。自己満足してたのですね。

 

だから、今を思えば「勉強しない方」とズバリ言えるわけです。

 

 

 

学業の成績は最終的に三百数十人中、三百番台くらいの成績でした(ちなみに出身は福岡県立東筑高校、公立の進学校レベル)。

 

3年の進路指導の際に「医学部行きたい」と言ったら、担任から「はぁ?」と言われて一蹴されたことは今も覚えています。

 

それでもナニクソな思いでやればいいのに…やらなかったのが私の高校時代でした。



ただ、今となって考えると、「勉強しない」のもあるけど、そもそも「勉強の仕方がわかってなかった」ことも大きいかったようにも思えます。

 

高校卒業後は北九州予備校(知る人ぞ知る予備校)に入りました。

 

そこで初めて勉強の仕方を知ることができましたからね。

 

英文法の構造とか、暗記することの重要さとか(なにを今更なことを)。
 

そこから頑張って勉強するようになり、3浪目でようやく熊大医学部に合格することができました。

 

 

 

大学に入ってからは「3浪もしたから、留年はしたくない!」という思いで頑張る決意をしました。

 

そもそも医師になりたい夢があったから医学の勉強は興味を持てましたし、予備校で培った勉学のスタイルは自分に合っていたからモチベーションを維持しつつ、どうにか講義についていってました。

 

部活動やサークルやバイトも一切しないガリ勉野郎の私は、無事に6年間ストレートに卒業できました(途中ちょっと危うかったことがあったけどね)。

 

でも、医学部在籍中はそんなに成績優良ではなかったです。

 

はっきりと順位がつく試験といえば、4年生で受験させられる共通試験(CBT試験)で、私は何の間違いか百数十人中7位(学内での順位)という成績でしたが、

 

まぁ、私は別に卒業試験と国家試験さえクリアして医師免許が得られたらなんでもよかったので、その後は無理なく勉強を続けましたね。

 

そして医師になってからは順位がどうとか関係のない世界でやっていってます。

 

もちろん、そういう順位を意識して、ハングリーにいってる人は伸びやすいとは思いますけど、それは人それぞれかと。

 

結論:「勉強しない」のはあくまで主観的な意見です。私は高校時代に自己満足して失敗しましたが、皆さんは自分がやっていることが目標に足るものかを奢らず確認してますか?医学部受験の世界は高いレベルのせめぎあいです、その気持ちを忘れずに邁進していってください。

 

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今後もこんな感じで高校生からの質問に答えていきたいと思います。

 

まぁ、ブログのネタがないから尺稼ぎにはちょうど良いっていう本音。内緒ね。

 

それでは、また。