「RE_PRAY」から1週間がたった。
たまアリの2日間は、今振り返っても夢のようだった。
まずは初日。
幕が開いて、リンクに羽生君が降り立つ。
SOIとファンタジーオンアイスで羽生君が実在することを確認したので、「本当に羽生君って、いたんだ」という感想にはならなかったけど、「最初から羽生君のプログラムが見れるなんて」と感激した。
初日は当然だけど、どのプログラムがどのタイミングで来るかが全く分からなかったので、プログラムが始まる度に驚いたり感激したりと、心の中で忙しかった。
最初のプログラムは「いつか終わる夢-original-」。
曲と、羽生君のゆったりとしつつも重々しい滑り、そして幻想的なプロジェクションマッピングによって、いきなり別世界に入ったかのようだった。
「RE_PRAY」の世界への導入として納得のプログラム選び。
次の新プロ「鶏と蛇と豚」は、般若心経、斬新な衣装、氷のすぐ上を走るレーザーが反射して光る足首と、怒涛のように情報がやってくる。
ダンサブルな動きがあって、スケーティングがあって。
そうしたら、いきなりショートサイトでリンクから出た。
「え?」と思ったら、小さな舞台上でダンスのような動き。
一瞬、モニターを見ようか迷ったけど、せっかく生だから(録画は後から見れると自分に言い聞かせて)、遠いながらも生の羽生君を見る。
舞台で踊る後ろ姿。
「鶏と蛇と豚」について、初日にやっと認識できたのは、これくらい。
そして、次に来たのが「ホプレガ」。
過去プログラムはどれも、映像ではさんざん見てきたけど生で見るのは初めてのものばかりなので、感激に次ぐ感激。
競技プロを生で初めてみたのが、このときの「ホプレガ」。
スケーティングがとにかく素晴らしい。
「Megalovania」は、エッジの音が遠いA席まではっきりと聞こえたので、初日は、てっきり録音だと悲しい勘違いをしてしまった。(2日目は、録画を確認したおかげでリアルな音だと分かっていたので、耳をすませて聞き入った。生で羽生君のエッジの音が聞けるなんて、贅沢すぎる)
そして次にきたのが、まさかの6分間練習。
競技時代、怖いくらいに集中して本番に向かう羽生君が好きだったので、これには感激した。
もちろん見たい願望はあったけど、「RE_PRAY」には入らないんじゃないかと思っていたので。
羽生君の6分間練習は、本当にきれい。
無駄な動きが全くない。
集中力を極限まで高めながら、確認すべきことを確実に遂行する。
4回転ジャンプが入ったので、「これは来るぞ」と緊張した。
衣装は見たことがない真っ赤なデザインなので、新プロだろう。
必死で羽生君の姿のみを目で追っていたので、リンクサイドのプーさんに気付いたのは、6分間練習が終盤にさしかかるころ。
よく見たら、ディスプレイにカウントダウンが。
いよいよ、始まる。
と思ったら、初日はいきなり音楽が鳴り始めた。
(2日目はスタート地点についてからだったので、初日はタイミングがずれたのかな)
でも初日は、そういう演出のプログラムだと思って見ていた。
(なにせ暗がりのスピンから始まる「if...」という前例もあるので)
冒頭、いきなり4回転。
完璧なジャンプ。
これはガチだ。
そしてトリプルアクセルに、3回転ジャンプ。
と思ったら、珍しく4回転ジャンプで転倒。
(ここで体調が少し心配になる。とにかく、プロになってからの羽生君は転倒がほとんどなかったので)
そう思ったら、怒涛の5連続ジャンプ。
これには、驚いた。
最初見ていたときは、3連続ジャンプだと思いながら見ていたから、また1回転、そして3回転と続いたのに驚いた。
会場のボルテージも一気に上がる。
そんな感じで、初見の「破滅への使者」はジャンプしか認識できなかった。
悲しいことに、振付も音楽も全く認識できなかった。
でも、競技のような明るい照明のもと滑られる競技プロなみの難度のプログラムは格別だった。
A席だったので、リンク全体がよく見える。
羽生君がリンクのどのあたりでどのジャンプを跳んだかということが、意外と鮮明に記憶に残っている。
ここで前半が終了。
まだ前半が終わっただけなのに、濃密な時間だった。
それでも、あっという間のできごとだったようにも感じる。
休憩をはさんで、いよいよ後半。
初日は、とにかく全てが未知の世界。
ここで来たのが、「いつか終わる夢;RE」。
冒頭と同じプログラムが来たことに、意表をつかれた。
よく見ると、衣装が違う。
そしてプログラムの雰囲気が1回目と全く違うことに驚いた。
(音楽がピアノ演奏になっていたことは、これまた悲しいことに、現地では気付かなかった)
そして次にきたのが、「天と地のレクイエム」。
このプログラムを生で見ることがあるとは思っていなかったので、驚いた。
最初音楽がかかった時、「え?これ、天と地のレクイエムだよね?」と心の中で自問したくらい。
今までこのプログラムに持っていた「押し寄せる悲しみ」というイメージとはまた違って見えた。
ショーでは長いこと封印されていたかのような「天と地のレクイエム」だけど、この「RE_PRAY」という物語の終盤であるここに持ってきたかと、うなった。
そして、この次に来たのが、なんと「あの夏へ」。
この流れに歓喜するとともに、ぞくぞくした。
このプログラムが創り出す世界観に圧倒された。
異世界観が、ここに極まったというか。
すごいものを見た。
この時ばかりは、スケートということすらも忘れさせるかのよう。
神聖な「舞」のようだった。
そして、最後は「春よ、来い」。
本来なら、このプログラムを生で見れることにも歓喜なのだけど、「あの夏へ」に圧倒されて戻ってこれないうちに、あっという間に終わってしまった感じがした。
生で見る羽生君の単独公演は、次から次へと羽生君のプログラムがくるので、圧倒される。
こんなに素晴らしいプログラムたちを、こんな短時間に、こんなにたくさん見れるなんて。
すごすぎる。極上すぎる。
「RE_PRAY」から1週間たった今も、あの空間を振り返りながら、そう思う。