楽しくて仕方なかったこの仕事が、ついにこの日を迎えました。
※以下は、引渡しの際、みなさんの前で読ませてもらった文です。
「アオバズクは知っている。」
2006年5月、ひょんなことをきっかけにスタートした楠元邸母屋の改修計画。ここ数年の間に,人の気配というものが消え去ってしまっていた築150年の母屋に、新しい息吹を吹き込むことになりました。
私の叔父と叔母にあたる施主の楠元博人・久美子夫妻。ふたりの意向は「明るく開放的に」というきわめてシンプルなものでした。
孫の誕生、博人氏の退職、施設にいる祖母、洋裁教室の再開、、、まさに家族の変革期に当り、数々の可能性を吸収できる家づくりが要求されたのです。ヒアリングから導かれた設計コンセプトは「ファジーな家」。あえて各部屋の用途を特定せず、住み手のライフステージの変化を受け入れ、家が家族とともに齢を重ねて生きていけるよう計画しました。設計期間4ヶ月、工事期間2ヶ月半。約6ヶ月間半という短期間で隠れていた建物本来の力がまたよみがえったのではないかと思います。
こんなにもすばらしい体験をさせてくれた博人おじちゃん、久美子おばちゃん。
鹿児島⇔福岡間を何度も往復し,ご指導くださった斉藤所長。
計画実現のために現場でご尽力くださった中村氏をはじめとする現場チームの皆様。
私の奮闘ぶりをじっと(?)見守ってくれた両親やいとこ達。
皆様といっしょにこの家作りに関わることができたことを心より感謝しております。
人を愛し人に愛される叔父と叔母の家が、笑い声が絶えることのない健やかな家であり続けることを願います。家族の歴史と未来とが共存するこの家をアオバズクがずーっと見守っていてくれることでしょう。彼らも世代交代を繰り返しながら・・・
2006年12月16日吉日
設計監理:斎藤政雄建築事務所
担当 楠元賀央里
<施工関係者 一覧>
現場総監督:健康工建 中村氏
木工事:アズ工建 小薗氏
木製建具工事:土肥木工 土肥氏
クロス・Pタイル工事:川路建装 川路氏
タタミ工事:宇都タタミ 宇都氏
左官・タイル工事 中城左官 中城氏
鋼製建具工事:トータルハラダ 小園氏
塗装工事:コーセーペイント 山田氏
電気設備工事:本田電設 久保氏
給排水工事:藤原伝次郎商店 北島氏
照明計画:ENDO照明 江嵜氏
床材:ケンショーハウス
暖房:PS工業
正門屋根:森永ルーフ 森永氏
写真撮影:川越亮事務所 川越氏
家具協力:家具の山佐 佐々木氏
早速、人がいっぱい集まりました。
楽しく楽しく、暮らしてね。博人おじちゃん、久美子おばちゃん!
また、新しい家族の物語が始まりました。
かけがえのない私の家族たち。みんな、ずっとずっと笑っていてほしい。
恭華おばちゃんは、びっくりするだろうなあ・・・!
最後に、ブログを呼んでくださったみなさん、ご愛読ありがとうございました。
またどこかで会えますように。
楠元賀央里