会田誠展:天才でごめんなさい 感想その1 | トトやんのすべて

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猫写真。
ブンガク。
および諸芸術作品への偉そうな評論をつづっていくブログです。

日比谷線の六本木駅を降りると…
こんな信じられぬような光景に出くわしたのであった。↓↓

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ぬぬぬ…

スクール水着…女子中学生…

セーラー服…濡れた肢体…

膨らみ始めた乳房…すんなりのびた手足…

ヴァージン臭がむんむん立ち上ってくるようなこの画面…

けしからぬ、けしからぬ。

嘆かわしいことこの上なし。

嗚呼、こんなロリコン野郎のマスかき妄想みたいな絵を

このオシャレシティーに放置しておいてよいのだろうか?


むむむ。

六本木ヒルズの柱(?)も目下こんな嘆かわしいありさまですぞ↓

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怒っている。僕は猛烈に怒っているのである。

こんなけしからん画家がこの世に存在してよいものであろうか。


じっさい、どこやらのおせっかいな…

いや失礼、立派な市民団体とやらが

「こ、こ、これは児童ポルノざますっ!!」

などとおもわず苦笑してしまう他ない抗議を…


あ。

失礼。たいへん真面目な抗議をなすった、とかいう話をきいたりもしたんだが、

(むろん誰もまともに相手をしていない)

ようするにですね、

本当にけしからん画家なのですよ。会田誠という人は。


□□□□□□□□


ん、さて、

はじめてわたくしが

このワイセツな絵描きを知ったのは、

キリスト教暦2000年のことでありました。

場所は水戸芸術館。


ぼくちゃんね、

パンフレット類を大切に仕舞いこむ癖があるもんで…

捜してみたら、あった、あった。

しかもすごくきれい…

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「日本ゼロ年」展…

Ground Zero Japan…Ground Zeroにゾッとしてしまうのははたして

僕だけでしょうか?

そうです。9・11のテロはまだ発生していないですね…


まーそんなことはおいといて会田誠。

この、日本の現代美術の全貌をみてみようという楽しい企画。

(じっさいかなり良かった記憶がある)

横尾忠則やら村上隆やら、そうそうたるメンバーと一緒に

登場した彼は…

上の画像にちらっと写ったパンフレットによると…


「平成の戦争画家!?」


という紹介のされ方をしていた。


時はあたかも…小林よしのり「戦争論」の時代。

それに呼応して?か??

藤田嗣治あたりの「戦争画」も…


「あれってなんか、なかったことにしてたけど、さ…」

「うん」

「よくみてみると…」

「うんうん」

「けっこういいよね、戦争画」

「あたしもそう思う」


みたいな感じで、戦争画が見直されていた時期なのであった。

その流れで会田誠の「戦争画RETURNS」は登場し、

そのような文脈で解釈されていたのであった。


そうそう、なんか思い出して来たぞ、あの頃を。

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で、当時紅顔の美少年であったトマス・ピンコの野郎は、

この「平成の戦争画家」にえらく感銘をうけ…

なんといっても予習復習をきちんとするよい子であったので…


同水戸芸術館の売店で

会田誠関連のテキスト…

つまりは、

会田誠作品集「孤独な惑星」…と、

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会田誠センセイ作のマンガ

「ミュータント花子」

を購入したことでありました。


帯の文章を引用してみましょうか…

SF+戦争+エロ+アクション+純愛+グロ+ファンタジー+ユーモアand more!

天才!会田誠

ファンの熱烈な期待に応え、瞠目のパワーを注いで

漫画界デビュー!


…ですって。


えーと、中身はシロートの描いた

見るに堪えないエロ漫画です。

まー太平洋戦争を題材にしてまして…


アメリカ兵(鬼)が

可憐な大和撫子(セーラー服・三つ折りソックスあるいはスクール水着の美少女)をさんざんに強姦する。

その中のひとり、主人公の花子が

原爆の影響で「ミュータント花子」というセーラームーンみたいのに変身。

憎きアメリカ軍(強姦魔の鬼です)を全滅させるというおはなし。

ついでにいうと「天皇陛下」ってのがでてくるんだが、

メガネをかけたこのお方は…誰がどう見ても

小林よしのり激似であったりする。(なぜかそのことを誰も指摘したがらない…)


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あーそうそう。いろいろ思い出してきたぞ。

会田誠のことになると…ほんといろんな記憶があふれ出てくるな…


僕が

アヤちゃん(仮名)とセック○できなかったのは

この最悪のワイセツ画家会田誠のせいなのだった。

クソーッ…もう許せないっす。


アヤちゃんという人は、群馬出身のぽっちゃり美人。

白いブラウスからいつも黒のランジェリーが透けてみえていたっけ。

くわえて、「あたし、今まで彼氏がいなかったことがない」

なんてこと豪語している、ときたらなんとイヤミな女か、と

あなたは思われることだろうが、

ぜんぜんそういうことにならなかったのは不思議。

野郎どもにはもちろん女の子たちにも人気があったんだよね。

たぶんあのいくぶんぽっちゃりした体型と

ちょっと抜けたところのある性格がみんなに愛された原因であろう。


えーさて…時は…あの「日本ゼロ年」展の数年後ですよ。

21世紀ですよ。

はい。こまかいことはすっ飛ばして

気付くとアヤちゃんと二人きり。

みんなの憧れアヤちゃん(仮名)が、

僕の部屋の洗面所をまさぐって

「あれれ。なぜ歯ブラシが3本もあるのだ?」とか…

冷蔵庫をいじくりまわして、ワインの瓶片手に

「えートマスくん、お酒のめないよね?」

などとアヤちゃんがなんかハスキーがかったエロ声で

呟いていたと思いたまえ。

(そうそうあの子けっこうヘビースモーカーだった…)

気づくとアヤちゃんは僕の机の前になんの断りもなく座って

なんの断りもなく本棚の本をまさぐっている。調査している。

といっても後ろめたいような本はそこには置いていないので

僕はアヤちゃんの裸足の足を…形のいい小指なんかを

ぼんやりとみつめている。

(ということは、夏だったんだな。あれ?あの…みょうちきりんな冷やし中華をつくってくれたのはアヤちゃんだったっけ?たぶん違うたぶん違う)

今からおもうと

この裸足、というのがクセモノだったとおもう。

はじめて目にしたアヤちゃんの裸の足の指を見ながら、

色々と僕はあんなことこんなことを妄想してしまったのであった。

なので…

「あ。。」

と絶句したアヤちゃんが一体何の本を目の前に広げているのか…

気づくのに一瞬遅れてしまったのでありました。


はい。わかりますね。

「ミュータント花子」の登場です。

憎き会田誠です。


アヤ:「あー、エロ本発見!」

トマス:「違いますよ、それ」

ア:「『ミュータント花子』…」

ト:「あの、会田誠っていう画家がおりまして…」

ア:「む。なになに『おじょうちゃん いいコだから お兄さんにスカートの中を見せてくれないかな』ほほーっ…」

ト:「アートです、アートです、それ。現代アート」

ア:「『え そ、そんな はずかしいこと』『ぐずぐず言わずに見せんだよ!』」

ト:「あのー、そういう読み方やめてくださいます?ゲージュツ作品なんで」

ア:「『おや、もうウブ毛が生えてるぞ』…」

ト:「あのなーやめろやめろやめろやめろ…」

ア:「『分かりました スクール水着に着替えます♡』…」

ト:「ちげーよ!アートなんだよ!現代美術なんだよ!このバカ女!」

エロ漫画『ミュータント花子』の奪い合いをはじめる二人であった。

ア:「あ。触った。エロっ!痴漢っ!」

ト:「ちげーよ、返せ!」

ア:「『初めは痛がるばかりだったが、ようやく歓びを覚えたようだ』…」

ト:「返せ!返せよ!ああ、もうっ!」

ア:「『さあ この日本の純情な青年の前で イってごらん 花子』…」

ト:「返せ!エロ漫画なんかじゃねーよ!」

ア:「『あん こんな感じ初めて がまんできない』…」


けっきょく『ミュータント花子』を最初から最後まで

まるまる読破してしまったアヤちゃん(仮名)の頬は

なんかうっすら紅潮してしまっていて

なんか、こう一戦終えた後のようななんともいえない

感じをすら漂わせているのでありました。

そんな七月のある日の夕暮れ…

あのかわいかったアヤちゃんとどうにもならなかったのは

あの日、エッ○できなかったのは、

ぜったいに『ミュータント花子』のせいに違いないのです。

会田誠のせいに違いないのです!

許すまじ、会田誠!


…なんか長くなっちゃったので「その1」おわり。

というか、展覧会の感想に全然いけてないんですが…