※この書き物は私の独り善がりの妄想話であり、フィクションです。登場する個人・団体名はすべて架空のものです。どうぞご了承下さい。

 他のことに頭がいっぱいで、あいちゃんがやって来てくれたことに上の空だった。この「あいちゃんがかわいくて」を書くとき、何時にやってきたのか、正確な時間、覚えてなかった。確か、16時過ぎだと思ったか。

 

 今日はイオン若松ショッピングセンターに行って、ご当地アイドルDreamのTEAM DREAMのライブを新しく14万円出して買った。っていうか、先月Xperia5マークⅣを買ったはかりだったのだが、全く使い物をならなかったので、清水の舞台から飛び下りた覚悟で、Xperia5マークⅤを手に入れた。

 

 このXperia5マークⅤ、フォトプロの動画で解像度4Kの60fpsで撮れる。愛ドリライブでまずこの4K60fpsを試した。27分51秒のライブ時間中、スマホカメラが落ちることもなかったし、本体発熱による機能制限の警告も出ることはなかった。マークⅣなら間違いなくスマホカメラ落ちていた。爆熱カメラ落ちさえなかったら、このマークⅣ、最高の動画撮りスマホだったのに。

 

 愛ドリのライブが終わったのが11時半、イオン若松店を出たその足で、現役のときたいそうお世話になった、ここから数百メートルの田村さんの家に行って挨拶して帰ろうと思ったが、留守だった。ここに来る道すがらローソンがあったので、戻って、コーヒータイム。そのとき、マークⅤで再生してみたが、別に異常は感じられなかった。

 

 トライアルで買い物して、家に着いたのが14時くらい。早速、マークⅤからユーチューブに投稿。二時間ほど経った16時過ぎ、息子が21800円で買って、今は俺が使わせて貰っているシャオミのタブレットで再生してみたら、何と、ピントがズレている。嘘やろ!

 俺は慌てて屋内に入ってパソコンで確かめてみたが、やっぱりボケている。俺は頭を抱える。14万で買ったマークⅤが…。このときはまだ一曲目の「ポジティブ万歳」の辺りしか聴いてはなかったが。

 

 そのとき、勝手口をトントン。あっちゃ〜あいちゃんだ。こんな真っ昼間に来るなんて珍しいなとか思いながら、『あいちゃんタイミング悪いわ』

 俺は勝手口から屋外に出た。

「おうあいちゃんどこまでか?」

「サンリブぅ」とあいちゃん。

 俺は、「友達と待ち合わせか?」

 あいちゃん、その待ち合わせの時間が迫っているようでそわそわしている。俺は、「乗れや」と後部座席に誘うと直ぐ車を住宅街の路地に進めた。

 雨は降ってない。今日はウォーキングは休んだ。昨日新しいサンダルを買ってウォーキングしたが、まだ義足に馴染んでない。あまり無理をして、また傷を作ったら1週間以上苦しんでしまうことになる。

 

 早速俺から話題作りだ。「買ったばかりのスマホで撮ったんやがこれがボケとるんよね。めっちやショックでパソコンの前で頭抱えよったんじや。何しろ14万円やからな。あいちゃんは昨日何しよったんか?」

 あいちゃん、「何もしてない。家に居ったあ」

「猫Gは今日何しろしよったん?」とあいちゃん。

「おう、イオン若松店で愛Dreamのライブ見て来たわ」

 あいちゃん、「えっ!若松まで行って来たのぉ」

 

 田んぼの中の細道に入る。あいちゃんから面白い情報を訊き出すことも忘れて、頭の中は愛Dreamの動画のことでいっぽいだった。

 おっとおばさんが自転車で道の真ん中を走っている。「危なっかしいなぁ。ええ迷惑やで。もっと端走ってもらわんとな」と、俺は慎重に回避しながら前に出る。

 口の悪いあいちゃんはめっちゃかわいい、「ババアやし」

 

 日曜日のサンリブ車が混んでいる。タクシー乗り場の方に入って、「じゃぁなあいちゃんまた来いよ」