※この書き物は私の独り善がりの妄想話であり、フィクションです。登場する個人・団体名はすべて架空のものです。どうぞご了承下さい。

 あいちゃんちゃんと学校には行っているようだ。午後からだが。

 今日はソニーストアに注文していたXperia5マークⅤが佐川急便から12時から14時の間に届く。12時、車の中でQTネットから届いた書類を見ていた俺に、「猫G!」

 

 朝はいつも通り、7時過ぎに家を出て行き付けのローソンでコーヒータイム。

 嫁、「今日はどこに行く?」

「12時過ぎに佐川急便から宅配便が届くけん家に居らないかん」

 「なら王将しかないね」

 今日はまだこの前のゲットした250円割引券があったからやって来たが、これだけ頻繁に値上げされるとさすがに嫌になる。7%割引カードがあっても、お約束の1500円は超えてしまう。

 

 テーブルに座って料理が来るのを待つ間に、「その上の前歯どげんなっとるんか?」という俺の問に嫁、「いいと。ちゃんと先生分かっとるんやけん」

 嫁の答えは要領を得ない。

「1回ならまだしも2回も外れるちゃめっちゃいい加減やねぇか。飯食ったら◯◯◯歯科に行って文句言うたる」とか、憤っていたら、何か食欲がなくなってきた。注文したのは麻婆豆腐と餃子、ライスの中、炒飯。勿体なかったが、無理して食うのも体重が増える。炒飯と麻婆豆腐、ちょっと残してしまった。

 

 王将を出たその足で、嫁が俺と結婚してから25年以上通わせた、◯◯◯歯科に向かった。ここを嫁の行き付けにしたのは、この歯医者の近くに住んでいて、嫁が歩いて通えたからだ。

 

 受付の女性に訊ねたときの俺の顔は怒気を含んでいたが、院長と話して理解した。ただ、受付のスタッフには、嫁が難聴と分かっていたら、大事なことは筆談ででも理解させてくれること、要望した。

 

 モールのクリーニング屋に寄って家に帰り着いたときは12時ちょっと前。宅配が届くまでウォーキングには行かないつもりだった。郵便が届いたようなので見てみると、ビビックからだった。

 ビビックとは100メガ契約だったのだが、何回か一日の制限容量を超えた日があるとメールで警告がが来ていた。これが続くとネットが使えなくなるというので、一つ上の、1ギガ契約に変更することにした。これだったら、一日の容量は200ギガを超えるので警告か届くことはない。ただし、配線を指示通り繋ぎ変える必要があるとのことで、そのやり方の案内が届いた。

「忙しいな」と、図解を見ていたら、あいちゃんがやってきた訳だ。

 

 車を降りた俺は、制服姿のあいちゃんに「どこ行くんか?」

 あいちゃん、「でも猫Gがこの時間に居るって珍しいね」

「ああ宅配が来るけんウォーキング行かんで待っとるんじゃ」

 あいちゃんがこう言うっていうことは、もしかしてあいちゃん、この時間に学校行くとき、俺が車の中にいるかどうか確かめてたの?

 昼間見るあいちゃん、リップのピアスが目立つ。

「あいちゃんマスクはちゃんと持っとるんか?」

「持ってるよ」と答えるあいちゃん、お決まりの後部座席の右側に乗り込む。俺も運転席に。

 

「新しいスマホが12時過ぎに届くんじゃ」と、時間が気になる俺だが、まだ12時、数分で帰って来れる筈。約束の時間は12女性から14時まで。そんなに早くは佐川急便来ないだろうと、俺は車を出した。

 あいちゃん、「猫Gいいの?」

「送って行く間に来たらあいちゃんのせいやけんな」と笑いながら、一応嫌味は行っておく。

「今から学校行ったら給食の時間か?」

 あいちゃん、「四時間目の途中」

 

 住宅街の路地の突き当りを左折して大通りへ。

「先月9万でスマボ買うて使い物にならんで今度は14万じゃ。二ヶ月で23万使ってもうた」

 あいちゃん、「それはヤバいね」

「でもまぁ仕方ないわ。金はあるし老い先短けぇし。今使わんと使うときねぇしな」

 

 ファミマの交差点を左折して高速高架下の道を辿る。

「車って速いね」と、改めて感動しているあいちゃん。

 俺は、「車が速いんは当たり前やし。車がなかったら何も出来んし」

「あいちゃんの足やったら10分間くらいで着こうもん」と俺。

 あいちゃん、口を尖らせているんだろう、「20分は掛かるよぉ」

 学校裏門に続く前のアパートに着いて、「ならあいちゃん頑張って来いよ」