※この書き物は私の独り善がりの妄想話であり、フィクションです。登場する個人・団体名はすべて架空のものです。どうぞご了承下さい。
午前中は曇っていたが、徐々に雨が落ちだした。日課で、7時前、駐車場に出てエンジンを掛けるのだが、夜間の雨で車体が濡れていたのが気になって拭き上げたのだが、意味がなかったようだ。
昼飯はお決まりのスシロー。吉志のスタンドで5リットル給油して、モールのクリーニング屋に寄ったあと、息子から貰ったiPadのバッテリー交換の値段を津田のあいほんiPhone専門修理店に寄って訊いてみた。
店主の言葉、「8年経ってて16000円掛けて修理しても、中の基盤が古いから、もって2・3年ですよ。16000円も修理に掛けるなら3万も出せばまだ年式が新しいiPadが手に入りますなら」に納得。
帰り、車内でタブレットが見易いように、ハンドルテーブルをダイソーで買ってきた。
家に帰り着いたのは12時過ぎ。早速ハンドルテーブルを設置して、iPadを取り出して立て掛け、弄くっていたら、かわいい女の子が運転席の右横に立った。
おう!久し振りの、ミニのワンピース姿のあいちゃんだ。俺は、運転席ドアを開けた、「おうあいちゃん乗れや」と後部座席に誘う。
ハンドルテーブルを外して後部座席の左側に片付け、iPadを左手に持って、自慢気に、「息子に貰ったんじゃ」
「良かったじゃん」とあいちゃん。
「で今日はどこまでか?」
あいちゃん。「小倉駅まで」
「うへっ遠いな。ばって戸畑駅よりましか。友達と待ち合わせか?」と問う俺に、「うん。田川の友達ぃ。小倉駅まで出て来てくれる」
「ばってあいちゃんいつもタイミングええなぁ。感心するわ。普通やったらこの時間俺はウォーキングの真っ最中やで。雨が振りよるけん様子見しよったわ」
「ふ〜セーフ。危なかったぁ」と安堵するあいちゃん。
『後で聞いたが、その田川の子、ヤンキーなんやて』
住宅街の路地に車を出す。
「この前王将行ったらあいちゃんのママ居って話したぞ」
「どんな話したん?」と、あいちゃん。
後で俺にチクったと母娘喧嘩にならないよう心掛ける。あいちゃんのママの悲壮感が伝わらないように軽〜く、「あいちゃんに嫌われたってよ(あいちゃんのママ、ほんとうはこう言った、「あい私のこと大嫌いなんてすって。昔のあいを返して欲しいです」と)。面と向かって言うたんか?」
あいちゃん、「うん言ったぁ。お母さんどんな様子で喋ってた?」とは、ちょっとは気になるのか?
なら、こう言おう、「憔悴して、相当ショック受けとるようやったぞ」
あいちゃんがママに同情して、少しは言うことを聞いてくれることを祈るばかりだ。
住宅街の路地から、車は小倉駅に向かって大通りへ。
「今日から春休みはやな。って学校行ってないあいちゃんはずっと春休みやったか」と戯れ言を叩く俺は、「春休みは何かするんか?」
あいちゃん、「熊本に行くぅ」
「ってパパんとこか?」
「うん」
「え〜と、玉名やなかった、山鹿やな。いつから行くんか」
「明日からぁ」
「ちゅうことはパパが帰って来とって一緒に帰るんやな。何日くらい行っとくんか?」
「1週間」
「山鹿って山鹿灯篭しかねぇど田舎やねぇか。パパが仕事に行っとるときあいちゃん一人で何するんか?スマホばっかり弄くっとくんか?」
あいちゃん、「アパートはwi-fi入んないからスマホ弄れんし」
『契約が5ギガやったら動画なんて見れんやろうしな』
俺は、「ならあいちゃんお得意の昼寝か」と笑う。
「そう寝てばかりはいられんしぃ。でも歩いて30分のところにゲーセンがあるぅ」