2月1日は息子の公休日だった。その数日前、息子、「久し振りに温泉行こうか。それで帰り日田に寄ろう」と珍しく、自分から切り出してきた。勿論、俺ら夫婦に異存はない。親子三人で行くとなると、車は息子の新型ハスラーで行くし、燃料も持ってくれるし、温泉代の1500円も出してくれる。

 それと嫁が特に楽しみにしているのが、帰り、日田の豆田町に寄って、いた屋本家の絶品うなぎおにきりと鳥市本店の唐揚げを食すことだ。息子、奢ってくれる。正に至れり尽くせりだ。

 最後に息子と生竜温泉七福に行ったのは、相当前になるか?アメブロの「体重管理」で調べてみたら、去年の1月18日に家族三人で行っている。2月11日、3月1日、3月7日にも温泉から日田に行っているが、夫婦二人だ。ということは、去年の1月以来か。1年ぶりだな。

 

 お決まりの旬彩館の幕の内弁当。いつも食べているのは展蜘蛛龍の絶品幕内べんとうなのだが、今日は木曜日で定休日だ。分かっていたから俺と嫁とこ手に取ったのはレストラン明星の幕の内弁当550円。息子はちょっと安い唐揚げ弁当。

 生竜温泉温泉七福、開店は10時だが、朝飯兼昼飯を食ってから向かうとどうしても11時くらいにはなる。先客の車か駐車場に停まっていたが、何とか、半露天の5番をゲットすることか出来た。この料金1500円は息子持ちだ。

 

 帰りは嫁が楽しみにしている日田豆田町に寄って、絶品唐揚げとうなぎ焼きおにぎりを食すつもりだが、国道210号線と国道212号線、さて、どちらを使って日田に下りるか?距離は後者の方がある。オグニ町を抜けてぐるっと遠回りになるから。

 ふと、杖立温泉郷にある観音岩温泉がどうなっているか、気になった。二年前の梅雨、杖立川の濁流で駐車場ご陥没して、営業を停止したままだったから。もしかして?の思いで、国道212号線を通ってみることにした。俺の車のだったら行かないが、息子の車たから燃料代はタダだ。

 

 渓流の杖立川を前面に山肌を覆うように切り立った巨大な観音岩。その間に、挟まれて観音岩温泉がある。土砂崩れの跡は堅牢な擁壁で完全に補修されている。杖立橋を渡って、あれっ?入口ご開放されている

。今日は定休日ですという看板まで出ている。って、いうことは営業再開?

 

 俺が車を入れようとすると、嫁、「中に入ると?再開されとっても今日はもう風呂には入らんよ」

「そんくらい分かっとるくさ。確認してみらんと分からんやねぇか」と、駐車場に車を停めて、建物の方へ歩く。建物の中には入れなかったが、もう営業しているようだ。

 車に戻った俺は、嫁に、「ちゃんと営業しとるわ。木曜日が定休日やけんそれ以外の日にくれば数年ぶりの懐かしき観音岩温泉に入れるぞ」

 嫁、「近いうちに絶対来てみようよ」と、瞳を輝かせる。

 

 観音岩温泉、数ある家族風呂施設の中で、ここだけか浴槽にお湯を張ったままだ。俺ら夫婦、この温泉が堪らなく好きだ。温めのお湯が柔らかく、長く浸かっていられるのだ。

 俺ら家族が今までよく利用した温泉は、別府のひょうたん温泉、由布院の由布岳温泉、はげの湯温泉郷のクヌギ湯、そして杖立温泉郷の観音岩温泉。観音岩温泉が長期休業に入ったため、麻生釣温泉亀山の湯、宝泉寺温泉郷の生竜温泉七福と、六ヶ所の家族風呂を巡ってきたが、やはり一番俺ら夫婦に合ったのが観音岩温泉だ。

 

 2016年4月、熊本地震で巨大な岩が落ちて来て、杖立川に向かって左側半分の小屋が使えなくなって休業。2020年7月、熊本豪雨による土砂崩れで小屋が杖立川に流されて休業。そして、2022年、杖立川の濁流に駐車場の一部分が陥没して休業と、踏んだり蹴ったりの観音岩温泉だった。

 俺ら夫婦、その再開を一日千秋の思いで待った。生竜温泉七福の帰り、豆田町に寄るときは、半年に一度くらい、わざわざ212号線の方に遠回りして確認して日田に下りていたが、その度にがっかりを繰り返していた俺ら夫婦、その思い、やっと報われた。