※この書き物は私の独り善がりの妄想話であり、フィクションです。登場する個人・団体名はすべて架空のものです。どうぞご了承下さい。

 

 昨日折角ハスラーにワックス掛けてやったのに、朝、また雨を被っていた。昨日から見出したネットフリックスのドラマ、「会社は学校じゃねぇんだよ」をハスラーの中で見ていた、もう周囲も薄暗くなってきた18時過ぎ、あいちゃんがやって来た。

 あっちゃ~まずい。まだ二日前の記事書き終わっていない。人間ボイスレコーダーを自負する俺ではあるが、被るとさすがに記憶が混濁してしまいそうだ。

 車外に出た俺は、「おうあいちゃん今日はどこまでか?」

「小倉駅ぃ」とあいちゃん、運転席側から後部座席に乗り込む。俺は座席に置いている荷物を動かしてやる。

 あいちゃん、「今日のあいかメイク変えてみたんだよ」とか言われて、まじまじと見たがよく分からない。「そうか」と曖昧な笑いになる。でも、かわいい。

 あいちゃん、「香水もいつもと違うのつけてきたよ」

 俺は、「おうこれは分かるで。甘い香りがするわ。いつものやつやったら、あいちゃんが来たん家の中に居っても分かるって嫁が言よったけんな」

「あいちゃんちょっと待て。嫁にあいちゃんが来たって報告してくるわ」と俺。

 

 車に乗り込んで、「狭いやろ」と、助手席後ろに置いたクーラーボックスを左手を伸ばして運転席後ろに動かす。間違ってあいちゃんの右足に触ってしまった。

 住宅街の路地に車を出す。

 あいちゃん、「ヤバい。時間が差し迫ってる」

「彼氏と待ち合わせか?」

「違う。友達ぃ」

 俺は、「そう言えばあいちゃん、田川のヤンキーガールにめっちゃビビっとったときがあったな」

 あいちゃん、「あの子とはもう仲直りしたよ」とケロッとしてる。そのあと、その子とのことを情熱的?に話してくれたのだが、俺はよく理解できなかったのでここでは流す。

 

 このガソリン高騰の折、なるべくエアコンを掛けないようにしたいが、あいちゃんが乗っているときはフル稼動だ。

 ふと見たら、あいちゃん窓を開けている。

 お茶目なあいちゃん、「猫じい、抜けた髪の毛(ウィッグ)のだんご」と、俺に見せる。

「おう窓から投げ捨ててやれや。アホのごと口開けて歩く誰かがばくっと食っちまうかもしれんぞ」と笑う俺。

 

 走行するハスラーの斜め左に焼肉やすもり。

 俺は、「あそこの焼肉は美味いぞ」

 あいちゃん、「いくらくらいで食べられる?」

「1万くらいじゃねぇか」

「えっ!1万円もするの?」

「俺と嫁と息子の三人で行ったとき1万くらい払った気がするわ」

 あいちゃん、「あいかが行くとしたら二人だよ」

「二人だったら5千円くらいで済むんやねぇか」

「でもあいか大食いだよ」

「やったら1万くらい払わなならんやろ」

 あいちゃん、「あいかは基本、焼肉に行くときは食べ放題だからぁ」

 なら、焼肉キング専門かと返したかったが、固有名詞が出てこなかった。