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日本初の放送業務会社の社団法人東京放送局が設立され
たのは、大正13年11月29日のこと。現在のNHK
の前身となる放送局である。

そして翌年3月22日、午後0時30分、東京芝浦にあ
る高等工芸学校に設けられた仮スタジオから、ラジオ時
代の幕開けとなる第一声が発せられた。

「アー、アー、聞こえますか。JOAK、JOAK、J
OAK。こちらは東京放送局であります」

この冒頭の「アー、アー、聞こえますか」という呼びか
けは、聴取者の鉱石ラジオがうまく受信できているかど
うかを試すためのものだったが、壊れている場合に「聞
こえますか」と呼びかけても仕方がないということで、
「アー、アー、本日は晴天なり」という呼びかけ方にな
った。

この「本日は晴天なり」という台詞だが、実はきちんと
した根拠があって発せられたものである。

19世紀半ばのアメリカの電信会社では、お互いに天気
状況を送信することによって、通信がうまくいくかどう
かを試していた。

そのときに使われた言葉が「It is fine today」だ
ったのだ。放送に使われる子音や母音、破裂音などが適
度にこの文章の中に含まれていることがその理由である。

つまり、「本日は晴天なり」は、このIt is fine today、の訳なのだった。