前田vsアンドレ戦は、地上波に乗ることはなかったものの
「裏ビデオ」として日本中を席巻した。
前田:「星野さんやっていいんですか?!」
藤原:「前田、やらなきゃやられるぞ!」
いまは、YOUTUBEで簡単に見ることができる。
だが、藤原vsアンドレ戦があったとは!
アンドレが、前田戦のように仕掛けるのか。それとも、
藤原が返り討ちにするのか、興味津々だ。
ただ、ググっても、藤原vsアンドレ戦は出てこなかった
ので、文字にて描写する。(動画があったらご一報下さ
い)
1986年5月27日、福岡スポーツセンター大会。こ
こでは藤原さんとアンドレのシングルマッチが組まれた。
「セコンドについてくれ」
試合前、藤原さんは珍しく前田さんにそう頼んだ。
さらにこの日、藤原さんは通常のリングシューズではな
く、練習用のレスリングシューズを着用してリングに上
がった。
つまり、UWF側はいかなる事態になっても対応できる
ように臨戦態勢を整えていたわけだが、いざ試合が始ま
ると決してリング上が殺気立っていたわけではなく、藤
原さんもアンドレも淡々と試合をこなしていた。
藤原さんとしては、アンドレが前田さんとあのような試
合をしたことで、だいたいの実力を把握できていたよう
だ。
藤原さんにしろ、前田さんにしろ、アンドレと対峙する
からといって動揺しなければならない理由はない。
結局、試合中に特にトラブルは発生せず、結果は両者リ
ングアウトとなった。
あの誰にも負けないアンドレが藤原さんと引き分け。
今にして思えば、あり得ない結末だ。
旬が過ぎたアンドレは、全日本プロレスに移籍すること
になる。
この前田vsアンドレ戦は世間では騒がれたが、若手を含
めUWF側は誰もが冷静沈着に受け止めていたように思
う。
あの一戦は、特別な試合でも何でもない。相手の姿勢に
よっては、ああいったことは十分に起こりうる。
そして、もし相手が一線を越えてきたら、対応すればい
いだけの話だ。それが俺の学んだプロレスである。
アンドレと引き分けた藤原さんが指でシュートサインを
作りながら、つぶやいた。
「お前もわかったろ。これは大事なんだよ」