▽ベルは先に特許を取っただけ
今やほとんどの家庭に普及している電話。
この電話の発明者は、一般的にはアメリカのグラハム・
ベルと考えられている。
ベルが完成したばかりの電話を使い、「ワトソン君、ち
ょっと来てくれたまえ」と助手を呼び出したのは広く知
られているエピソードである。
しかし、ベルはあくまで電話の特許を最初に取っただけ
であって、電話の発明者ではない。
ベルと同時代、また、それより以前に電話を発明した人
がいたのである。
同時代の発明者としては、アメリカのイライシャ・グレ
イとトーマス・エジソンが知られる。
グレイはベルより特許申請が2時間遅かったため、発明
者の地位を逃した。
エジソンはベルやグレイよりも一か月前に電話の特許申
請を出していた。
しかし、書類に不備があって受理されなかった。
受理されていればエジソンが電話の発明者として名を残
したはずである。
▽ドイツの学者が電話を発表していた
ベル、エジソン、グレイより先に電話を発明したのは、
ドイツの物理学者フィリップ・ライスである。
ライスが電話を発明したのは、上記の三人が特許申請を
するより15年も前である。
マイク、スピーカー、電線をセットし、人口鼓膜を振動
させてお互いの声を伝えるというものであり、ライス自
身はこの電話を「テレフォン」と名付けていた。
ギリシャ語で「遠い声」を意味する語である。
ライスはドイツで電話を発表したが、母国は見向きもし
ない。
改良を重ねている最中、ライスがこの世を去ったのは、
ベルたちの特許申請の2年前であった。
また、2002年、アメリカ議会は、1854年に電話
の試作品を完成させていたイタリアのアントニオ・メウ
ッチを最初の電話発明者とする案を採択した。