「君が代」は、1999年8月の国旗国歌法の公布・施行によって
正式に「日本の国歌」と規定されたが、大相撲は法的に国技として
規定されているわけではない。
それなのに、なぜ、大相撲は“日本の国技”と言われ続けてきたの
か。
1909年、両国の回向院隣接地に大相撲の常設館が竣工した。
それに先立ち、第一次大隈重信内閣で内相を務めた板垣退助が、
その館の名を考える委員会の委員長となり、みずから「尚武館」
という案を出した。
だが、この案は採用されなかった。
そこで、命名委員会は、時の文人・江見水蔭(えみすいいん)が
書いた落成開館式の披露文に注目した。
その披露文には、「そもそも角力(かくりょく)は日本の国技」
との一行があったのだ。
なるほど、相撲を国技と呼ぶならば「国技館」という命名は悪く
ない──。
命名委員会では、そんな具合に意見の一致をみた。
つまり、その「国技館」という命名によって、大相撲は“日本の
国技”と呼ばれるようになったわけである。