社名の「シャープ」は「シャープペンシル」の
シャープ、と言ってしまうと味も素っ気もない
が、同時に「えっ、どうして?」と疑問も湧く
はず。
しかし、理由は簡単。
文具のシャープペンシルを考案したのが、創業
者の早川徳次なのである。
早川はもともとは簪(かんざし)などを作る錺
(かざり)職人だった。
大正元年、18歳で独立してバックルや万年筆
の部品を作る工場を東京に開いた。
その技術を活かして、1837年に米国で発明
され、「エバーシャープ」の名で売られていた
繰り出し式の鉛筆の改良を手がけた。
エバーシャープはever sharp、つまり永遠に
鋭いという意味だったが、セルロイド製でこわ
れやすく、芯も削らなければ使えない実用性に
乏しいものだった。
早川はこれに精密な金属加工を施し、「早川式
繰り出し鉛筆」として大正4年に売り出す。
国内ではさっぱり売れなかったが、海外からは
注文が殺到した。
そのため商品名を、先の尖った鉛筆という意味
で「シャープペンシル」とし、工場も「早川兄
弟商会金属文具製作所」と変えて、その後急成
長した。
ところが関東大震災で工場は全滅。
家族も失った早川は再起を期して大阪へ移り、
「早川金属工業」という会社を設立して、今
度は電気製品の分野に活路を見出す。
大正14年、ラジオ放送の始まった年に国産
初の鉱石ラジオを完成。
これに初めて「シャープ」のブランド名を冠
して売り出した。
アイデアマン早川は、その後も、国産初のテ
レビ、国産初の電子レンジ、世界初の電卓な
ど、矢継ぎ早に新製品を世に送り出す。
社名は「早川電機工業」など何度か変更され
たが、昭和45年に自らの事業の基礎を作り
すべての製品に付けられていたブランド名の
「シャープ」を社名にした。
現在は家電,AV分野のみならず、通信・情
報、電子部品分野でトップレベルの技術力を
持ち、ダイナミックな事業展開をしている。