長い人類のトイレの歴史の中でも誰も考えつか
なかった温水洗浄便座「ウォシュレット」を発
明したのが昭和55年のこと。
それから平成27年までの35年間で実に40
00万台も売れたというのは、やはり宣伝文句
のとおり「おしりだって洗ってほしい」という
ことだったのだろう。
衛生陶器で世界トップ企業である「TOTO」
の名は、洗面台や便器の表示でお馴染みだ。
同名のロックバンドが初来日したとき、便器な
どに自分たちのグループ名が印字されているの
を見て大喜びしたというエピソードもあるが、
彼らは「とと」と発音し、この会社は「トート
ー」である。
社名の「東陶機器」の略称「東陶」から来ている。
創業は大正6年。
陶磁器メーカーであった「日本陶器」(現・ノリ
タケカンパニーリミテド)の当時の社長・大倉
和親(かずちか)が欧米視察から帰国し、日本
でもサニタリー、トイレタリー分野の陶器の需要
が増えるだろうと考え、便器等の衛生陶器を製造
するために新たに設立した「東洋陶器」が同社
の始まりだった。
本社は、燃料である石炭を産出する九州・小倉
(現・北九州市)に置かれ、現在に至っている。
創業時の「東洋」の社名は、親会社の日本陶器は
主にアメリカ市場に力点を置いた会社だったのに
対し、子会社の東洋陶器が中国大陸と東南アジア
の新しい市場開拓を目指したことから付けられた。
陶器の本場である東洋市場は、社長の大倉と、そ
の父親で日本陶器先代社長だった大倉孫兵衛の積
年の夢だったという。
それからほぼ60年が過ぎ、衛生陶器分野でトッ
プ企業に成長した同社は、その一方で水栓金具な
ど付属品でも日本一のメーカーに成長した。
そのため社名の「東洋陶器」では、事業内容をカ
バーしきれなくなり、昭和44年にまずブランド
名をそれまでの「Toyo toki」から「TOTO」
へ変更。
さらにその翌年、社名を現在の「東陶機器」に
改めた。