「BMW」の自動車には、高速安定性を至上の価値と
してきたドイツ車特有の「哲学」に加え、イギリス車
的な「ダンディズム」とイタリア車的な「美学」の
匂いがある。
ドイツ車でありながら、「伊達」と「ラテン」ともい
うべき魅力を備えた同社の源泉を、社名と自動車づく
りの原点に見出すことができる。
同社はバイエルン州の州都であり、歴史的にイタリア
との交易の拠点であったミュンヘンで誕生した。
この地の航空機メーカーとエンジンメーカーが191
6年に合併した「BFW」(Bayerische Flugzeug
Werke)(バイエルン航空機工場)が起源である。
6年後、エンジンメーカーの「BMW」(Bayerische
Motorreu Werke)(バイエルンエンジン工場)を吸収
して、今日の社名である「BMW」と改称した。
同社が、吸収されたエンジン会社の社名を名乗ったのは
第一次大戦後に、敗戦国であるドイツでは航空機エンジン
が製造禁止になり、農耕用トラックの「エンジンメーカー」
にならざるを得なかったからである。
だが、このときに生まれた白と青の4分割円のマークに
は、航空機メーカーの自負が表現されていた。
「回転する飛行機のプロペラにバイエルンの青い空、
白い雲」を表現したのである。
1923年に2輪車の製造が開始される。
1928年には英国のオースチン車の名車「オースチン
7」を「ディキシー」の車名ライセンス生産していた
自動車会社を買収。
このディキシーが「BMW」と改称されて同社の最初の
乗用車となった。
堅牢な哲学一辺倒のドイツ車に英国の味わいとイタリア
の匂いを加味した、それまでのドイツ車とは異質のオリ
ジナル車をデビューさせたのは、1933年のことである。
その4年後に発表された「BMW328」は、同社初の
スポーツカーとして大ヒットを記録した。
平成14年からは奇しくもオースチン社が開発した小型
車の名車「ミニ」を傘下のブランドにおさめ製造・販売
を行っている。
日本法人は昭和56年に設立された。