警察手帳と拳銃は警察官にとってまっこと重要なものだ。
この2つはどんなことがあっても肌身から離す
ことはない。本当かって?本当だ。
警察官も人の子だ。
若ければ若いなりに欲求が発して
たまにはソープに行きたいときもある。
しかも、そんな欲求がいつも帰宅途中に起きるとは
限らない。
ときにはその日の捜査が終わり署に戻る道すがら、
けばけばしいネオンサインを見た瞬間に、
むくむくと欲求が沸き上がってくることもある。
そうなるともうどうにもおさまりがつかない。
「まあ、署に戻るのはもうちょっと後でもいいだろう」
とばかりに、久々にソープで汗を流すことになる。
個室に入って一番困るのが所持品の処理だ。
財布や小銭入れはロッカーに入れておくにしても、
警察手帳と拳銃はそうはいかない。
警察官たるもの自らの身分を証明する
警察手帳と拳銃だけは絶対に、絶対に無くしてはいけない。
過去、後から見つかったのだが、警察手帳や拳銃を
なくしたために思いつめて自殺を図ったという
警察官の例は少なくない。
自殺までしなくとも、これらの紛失が原因で、
職場を飛ばされたという例も枚挙に暇がない。
二次被害を考えると始末書どころではすまないのだ。
ソープでは少々、見てくれは悪いがビニール袋に警察手帳
と拳銃をおさめ、しっかりと口を止めて水が入らない
ようにしたうえで頭の上に結び付けておいて、風呂に入るのだ。
確かに見た目は滑稽だが、致し方ない。
当然ソープ嬢からは
「なによ。その格好」
と笑われるが。それも仕方ない。
事情を説明せずとも、職業的な勘で相手も納得してくれる。
捜査の過程で知り合った女性とラブホテルに行くときも、
一人でサウナに行くときもこれは変わらない。
みなさんもサウナで頭にビニール袋を載せている客を
見かけたら、警察官だと思っておおかた間違いない。
もちろん、最終的に拳銃は警務課が管理する金庫に
おさめられる。
ある若い女性警察官が仕事を終えたあと、
彼氏と河原でつかの間のデートを楽しんでいたところ、
彼女のバッグが置き引きされたことがあった。
もちろん、中には拳銃こそ入ってなかったものの、
警察手帳が入っており、大変な騒ぎになった。
あちらこちらを懸命に探したが、手帳は出てこない。
結局、彼女は警察官を辞めてしまった。
警察手帳と拳銃はなくせば職業がぶっ飛んでしまうくらい、
絶対になくしてはいけないものだ。
無論、それが悪意を持って使われたら、
社会にとって有害な事案が発生する。