過去の刑事事件を実名を使って描いたノンフィクション作品による
プライバシー侵害が争われた事件において、最高裁は、ある者の前科
等に関わる事実が著作物で実名を使用して公表された場合において、
その者のその後の生活状況、当該刑事事件それ自体の歴史的または
社会的な意義その者の事件における当事者としての重要性、その者の
社会的活動およびその影響力について、その著作物の目的、性格等に
照らした実名使用の意義及び必要性を併せて判断し、その前科等にか
かわる事実を公表されない法的利益がこれを公表する理由に優越する
ときは、その者は、その公表によって被った精神的苦痛の賠償を求め
ることができると判示した。
▼争点:ある者の前科等に関わる事実が著作物で実名を使用して公表
された場合ににおいて、損害賠償請求をすることができるか
▼結論:本件事実関係のもとにおいては、損害賠償請求をすることが
できる。