ビール工場で飲む生ビールはこたえられない。
熱烈なビール党ならずとも、これに異論をはさむ人は
いないだろう。
工場で飲む生ビールのおいしさにはふたつの理由がある。
まず鮮度のよさ。
ビールは業務用の樽などへ詰める際、
空気に触れて酸化が進み、甘味が出やすくなる。
その結果、樽の中で保たれていた
爽快感やキレが徐々に失われてしまう。
工場で飲むビールは、発酵・熟成を終えたあとに
一度も空気に触れていない状態のものを、
タンクから直に汲み出している。
これが、まずかろうはずはないのだ。
もうひとつのちがいは、ビールサーバーの
取り扱い方。
ビールのサーバーは洗浄を怠ると、
チューブなどに雑菌が繁殖して臭がつきやすくなる。
ビール工場では「業務の5割が洗浄作用」と
いわれるほど、衛生管理が徹底している。
一度雑菌がタンク内に入れば、仕込んだビールすべてが
売り物にならなくなってしまうためだ。
悲しいかな、飲食店ではそれほど洗浄にかける
手間も人手もない。
ゆえに、グラスにつがれた段階で
味わいにさらなる差がついてしまうのだ。