▼H・R・クリントン 「大統領のパロディ」 | ぐーすけとりきのブログ

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 ワシントンは儀礼的行事の多い街である。そうした行事の中で
もいちばん律儀に行われているのが、毎年恒例のグリッドアイアン
・ディナー。会員のジャーナリストたちが白の蝶タイに白のタキシ
ードという正装で集い、有志たちが衣装をつけて時の政府を寸劇
や戯れ歌で茶化しからかう。政府だけでなく大統領夫妻もからかわ
れる。この晩餐会に招待される客は、グリッドアイアン・クラブの
会員60名とその同僚たち、それに政界、財界、報道関係のお偉
方である。


 1994年3月、第109回のグリッドアイアン・ディナーが
巡ってきた頃、ビルと私は自分たちの医療保険計画がすっきりと
わかりやすいものにして売り込んでいないことに気がついていた。
だから国民の支持も得られなければ、豊富な資力と組織力を誇る
敵を向こうに回して議会を動かすこともできないでいるのだ、と。
全米健康保険協会は私たちの計画によって、保険会社の特権や利潤
が削減されることになるだろうと恐れていた。だからこの改革案
に対する疑念を喚起しようと、協会はテレビ広告を打ち出した。


 今度のキャラクターは「ハリーとルイーズ」だ。キッチンのテー
ブルで向かい合い、ハリーとルイーズは改革案に対して巧妙に仕
組また疑問をぶつけ、どれだけ出費がかかさむことになるかを声高
にしゃべる。目論見通り、その広告は既に健康保険に入っている
85%のアメリカ人が、その保険をなくしてしまうのではないかと
いう恐れ(テーマ特定グループ討論で指摘されていた)を煽るよ
うに仕組まれていた。


 そこで、ビルと私はグリッドアイアン・ディナーの余興に、この
保険圧力団体のテレビ広告のパロディをやってみることにした。
ビルが「ハリー」、私が「ルイーズ」。こうすれば敵方の脅し戦術
を暴いて、少しは気分が晴れるだろう。コメディアンのマンディと
アルが台本を書き、ビルと私が台詞を覚えて2~3回稽古をした。
そしてクリントン版「ハリーとルイーズ」をビデオに撮った。


 以下がそのコントだ。ビルと私がソファに座っている。ビルは
格子柄のシャツを着てコーヒーを飲んでいる。私は濃紺のセーター
とスカートという姿で、膨大な量の書類、つまり医療保険法案を
調べている。


ビル:おう、ルイーズ。どう調子は?
私:まあまあよ、ハリー今まではね。
ビル:どうした、ルイーズ。幽霊でも見たような青い顔して。
私:それどころじゃないわ。今クリントンの医療保障法案を読んだ
  のよ。
ビル:医療改革なんて良さそうじゃないか。
私:そう思うでしょ。でも、詳しく読んでみるとおっかないの。
ビル:たとえば?
私:たとえば、3764ページを見ると、クリントン医療保障案だ
  とみんな病気になるって。
ビル:そりゃひどい!
私:そうなのよ。それにここ見て。もっとひどいの。12743ペ
  ージ、ちがうっ、27655ページだった。ほら、皆最後は
  死ぬんだって。
ビル:クリントンの医療保険で?じゃなにかい?やつら有象無象の
   役人や税金を押し付けといて、そいでこっちはみんな死ぬの
   か?
私:そう、レオン・パネッタ(当時の行政管理予算局長)もね。
ビル:おおコワ!こんな怖い話は初めてだ。
私:ほんと!
ビル:もっとましなことを考えろよ!
アナウンサー:提供は「死ぬほど脅す連合会」でした。