芦部先生は、憲法学における「天皇」と呼ばれていた時期もあり
いまでも中堅の裁判官・検察官は憲法訴訟で分からないことがあ
ったとき、芦部先生の「憲法」を紐解いてみるという。安倍総理
芦部先生をご存知ないとは、憲法学んでないね~と言われても
仕方ないですな。(芦部先生は、逝去されている)
公務員の政治活動の自由制限の憲法上の根拠については、憲法
が公務員関係という特別の法律関係の存在とその自立性を憲法
的秩序の構成要素として認めていること(憲15条、73条4号
参照)に求めている。
そして、政党政治のもとでは、行政の中立性が保たれてはじめて
公務員関係の自立性が確保され、行政の継続性・安定性が維持され
るので、そのために一定の政治活動を制限することも許されるとす
る
しかし、公務員も一般の勤労者であり市民であるから、政治活動
の自由に対する制限は、行政の中立性という目的を達成するために
必要最小限度にとどまらなければならないと解するのが妥当である
とする。
このような立場をとれば、公務員の地位、職務の内容・性質等の
相違その他の諸般の事情(勤務時間の内外、国の施設の利用の有無
政治活動の種類・性質・態様など)を考慮した上で、具体的・個別
的に審査することが求められることになる。
そのための審査基準としては、公務員が公権力と特別な法律関係
にある者であることを考え合わせると、より制限的でない他の選び
うる手段の基準(LRAの基準)が適切であるとする。
この立場を前提とすると、現行法(国公102条)による制限は
すべての公務員の政治活動を一律全面に禁止し、しかも、刑事罰
を科している点で、違憲の疑いがあることになる。
※より制限的でない他の選びうる基準(LRAの基準)
より制限的でない他の選びうる手段の基準とは、立法目的は表現
内容には直接かかわりのない正当なもの(十分に重要なもの)と
して是認できるが、規制手段が広汎である点に問題がある法令につ
いて、立法目的を達成するための規制の程度のより少ない手段
(less restrictive alternatives)が存在するかどうかを具体的
・実質的に審査し、それがありうると解される場合には当該規制
立法を違憲とする基準を言う。