鎖国が続いていた江戸末期、日本開国のきっかけとなったのが
米国のペリー率いる黒船艦隊の来航だった。
「黒船」という呼び名は、外国船を意味する言葉として戦国時代
から使われていたらしい。
それでも、実際のところ、海上沖に姿を現した黒い船の軍団は、
日本人に計り知れない心理的威圧感を与えたのではないだろうか。
もっともペリー側にとっては、この効果は計算した上のこと
ではなかった。というのも、黒い色はメンテナンス上の事情から
施された色にすぎなかったからである。
ペリーが日本来航のために使った船は、いずれも木造船。この
ため、長い航海では塩水で腐食が進んでしまう心配がある。
そこで、腐食防止のためにコールタールが念入りに塗られていた。
これが遠目にはいよいよ黒く光り、重厚かつ不気味な印象を与え
たらしい。