暑い季節になると、ゼーゼーハーハーと喘ぎながら散歩をする
イヌの姿を見かける。
イヌがあれほど舌を出して息をするのは、手足以外の皮膚に汗腺
がないため、体温調節を舌で行う必要があるからだが、ネコの汗腺
もまた同様。その割には表情がいやに涼しげだし、舌を出してハァ
ハァ苦しがる様子もない。
ネコの体温調節は、もっぱら体を舐めることで行われる。唾液で
毛を湿らせ、それが蒸発するときの気化熱を利用して体温を下げて
いるのである。
もっとも、これはいわば付け焼刃の暑さ対策で、ネコもそれなり
に暑いことは暑いはず。ただ家ネコの祖先はアフリカや中近東など
の暑い国なので、北方出身のイヌよりももともと暑さには強いと
いう点がある。
さらに、温帯動物ならではの知恵として、暑い時は「働かない、
何も考えない、一番涼しい所を探して寝転びじっとしている」と
いう行動パターンが生来備わっている。暑さしのぎにかけては、
一枚も二枚も上手なのだ。
イヌに比べて根っから我慢強い性格も、暑そうにみえない理由
のひとつといわれる。